加齢によって高まる骨折リスク。「骨密度の低下は、男性であれば50歳を超えてから、女性であれば閉経後に拍車がかかるので、特に注意が必要です」と話すのは、そしがや大蔵クリニック院長の中山久徳先生です。骨の強化にはカルシウムが重要ですが、最近の研究ではビタミンDも転倒のリスクを減らすことがわかっています。カルシウムとビタミンDを補うのにおすすめの運動と、おいしい骨活レシピをご紹介します。

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ビタミンD不足と骨折リスク

●ビタミンDとは

ビタミンDはカルシウムの吸収を促す役割を果たす栄養素で、日光を浴びることによって体内で生成されます。食事から摂取することもできますが、皮膚からのほうがより効率的に摂取できるといわれています。

近年の研究では、ビタミンDは脳と筋肉の協調を高める働きを持ち、転倒のリスクを減らすことがわかっています。また、日本人は血中のビタミンDが少なく、欠乏しやすいことも判明しています。

ビタミンDが不足すると骨折のリスクが高まる恐れがあるため、適度に日光を浴びてビタミンDを作ることが大切です。

●年代によって骨折しやすい場所が変わる

加齢にともない骨折のリスクは上昇していきますが、特に年代によって骨折しやすい部位があるといいます。

「40代、50代の方が起こしやすいのは、転んだ拍子に手をついてしまって負荷がかかることによる手首骨折。60代からは背骨の圧迫骨折のリスクが増え、70代からは大腿の付け根の骨折が増加。これは寝たきりの原因にもなってしまいます。60代くらいから注意したい圧迫骨折には『いつのまにか骨折』とも呼ばれる痛みを感じない骨折が多いのが特徴。レントゲンを撮って初めて指摘される人も多い骨折です。簡単にチェックする方法を紹介します。家の中で壁の前にまっすぐ立ち、背中をつけてみてください。背中が曲がってしまい、後頭部が壁につかない人は危険信号です」(中山先生)