快適で心地よい暮らしを探究し続けてきた阿部絢子さん。人生の後半に突入したら、衣食住や人づきあいなどを見直して、残り時間は「自分のために使うべき」と言います(構成=浦上泰栄 イラスト=宮下和)

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人生の残り時間を「やりたいこと」に使う

私は、人生の時間は5段階に変化すると考えています。第1期は5〜20歳で、生きるための基礎をつくる時。第2期(20〜30代)は、社会人として成長する時間。次は、知力や社会での影響力を発揮するハイライト期(40〜50代)。そして、私がいる第4期(60〜70代)は、人生の最終章である第5期(80代以降)を迎える前の貴重な残り時間です。

子育てや仕事から解放され、「人生の最後にやっておきたいこと」に取り組むなら、心身ともに自由がきく今しかありません。義理のつきあいで時間をムダにし、何も考えず以前と同じ方法で家事をしていたら、時間はあっという間になくなってしまう。

以下に、人生の残り時間を楽しむために私が実践している「家事、習慣、お金、人づきあい」のアイデアをお伝えします。少しでもみなさんの参考になれば幸いです。

【家事】1回3分の小掃除で大掃除が不要に

50代までは週に1〜1.5回、掃除機をかけていましたが、次第におっくうになって2週間に1回に減り、今は大きな掃除機を使うのは2〜3ヵ月に一度になりました。

そのぶん何かのついでに拭いたり、ゴミを拾ったりする「小掃除」を実践。歯みがきの後に洗面台をひと拭きする、ほこりが目についた場所だけハンディタイプの掃除機をかけるなど、1回3〜5分手を動かすだけでも、十分きれいに保つことができます。

要は汚れを溜めないこと。溜めなければ大掃除も必要ありません。