令和4年の国民生活基礎調査によると、男性の2.5%、女性の5.1%が便秘を訴えているそう。そのようななか、「骨盤の後傾によって曲がった現代人の直腸を真っすぐに伸ばして便秘を撃退する<直腸ストレッチ>」を考案し、テレビや雑誌を通して発信しているのは、アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長の高林孝光さん。先日『スッキリ出る!直腸ストレッチ』を敢行した高林さんは、「便秘解消に欠かせないのが、腸内細菌のバランスをよくする食事です」と言っていて――。

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便秘に効果的な食事とは

医療機関における便秘の治療法の一つとして生活指導があります。その生活指導のなかでも、とくに重要視されているのが食生活です。

厚生労働省では、一日三食を規則正しく摂取すること、とくに、体内リズムを整え、胃や腸を刺激し、排便反射を促す朝食の摂取を推奨しています。

また、食物繊維の摂取もすすめています。水に溶ける性質を持つ水溶性(すいようせい)食物繊維には、腸内の善玉菌をふやしたり、便を軟らかくしたりする作用があります。水溶性食物繊維が豊富な食材としては、果物やニンジン、キャベツ、海藻類などがあげられます。

一方、水に溶けにくい性質を持つ不溶性(ふようせい)食物繊維には、便の量をふやし、腸管を刺激して腸の運動を活発化させ、便通を整える働きがあります。

不溶性食物繊維が豊富な食材としては、根菜類やキノコ類、豆類などがあげられます。こうした食材を積極的に摂取するようにしましょう。

ただし、水溶性食物繊維をとりすぎると下痢を起こしたり、不溶性食物繊維をとりすぎるとおなかが張って便秘が悪化したりする場合も多いので、体の調子に注意しながら摂取するようにしてください。