人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

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無理は禁物

「最近、何かするとすぐに疲れちゃって」

こんな声があちこちで聞かれます。

とくに年を重ねた人の場合、以前なら少し休めば回復した体力がなかなか元に戻らないのは事実ですから、疲れやすくなったと感じるのは当然のこと。

しかし、そんな自分を認めたくないのか、老いに立ち向かうかのように「もっと体力をつけなくちゃ」と、必死になって頑張る人も少なくありません。

このように自分に鞭むち打つのも悪いことではありませんが、ちょっと待ってください。無理は禁物です。疲れているときには体力が落ちているだけでなく、集中力も低下しているため、自転車で転倒したり、階段を踏み外したりして、大きな事故につながることもあります。