〈発売中の『婦人公論』5月号から記事を先出し!〉 ある時は時代劇スターとして、ある時はド派手な衣装に身を包んだエンターテイナーとして、あらゆる世代から愛される松平健さん。視聴者を楽しませ、新しい挑戦を続ける姿勢の原点には、師匠・勝新太郎さんの言葉がありました(構成=上田恵子 撮影=木村直軌)

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<前編よりつづく>

馬から落ちた時もケガはせず

芸能の仕事をしてきて、これまでつらいとか辞めたいと思ったことは一度もありません。大変だなと感じた時は、「今は修行をしているんだ」と考えて、乗り越えてきました。

やっぱり母親が苦労しているのを見てきましたからね。当時はまわりも貧しかったけれど、貧乏ということで陰口を叩かれてもじっと我慢して……。そんな母を見て育ったので、少々大変なことがあっても弱音を吐かず、淡々と自分のすべきことをするという気持ちで生きてきました。

ケガや病気で撮影を休んだこともほとんどないですね。馬から落ちた時もケガはしませんでしたし、30代の時に一度肉離れを起こしたくらいでしょうか。丈夫な体に産んでくれた両親に感謝です。(笑)

健康維持のために続けているのはウォーキングかな。毎朝、家の近所を1時間ほど歩きます。時には車で遠出して、お気に入りの川辺や公園を歩いたり。仕事で地方に行った時も、必ずホテルのまわりを歩きますね。あとは体幹を鍛えるために、時々ジムにも行っています。

60歳を過ぎたあたりから、お酒の量を気にするようになりました。以前はワインでも日本酒でも、飲み始めると2〜3本を空にしていたものですが(笑)。最近は健康第一ということで控えております。

食事は、肉、魚、野菜をバランス良く食べています。妻が作ってくれていますが、時間がある時は自分で料理することもありますよ。料理番組を4年間やっていたので、煮物、揚げ物、焼き物など、簡単なものなら作れます。

息子が小さい頃はお弁当を作ったりもしていましたが、今はもうそんな歳でもないですからね。