多くの夫婦は、最後にはどちらか片方が先立ち、どちらか片方が残されることに。そして夫を亡くした妻の余命にはさほど変化が無いとされる一方、妻を亡くした夫の余命は、平均に比べて約3割も短くなると言われます。そんななか、奥さんに先立たれたのちに作成した動画「ようやく妻が死んでくれた」が853万回再生を超え、大きな反響を生んだのがぺこりーのさんです。今回そのぺこりーのさんの著書『妻より長生きしてしまいまして。金はないが暇はある、老人ひとり愉快に暮らす』より一部を紹介します。

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ついに自由を手に入れた

ようやく私に自由な時間がきた。

30年以上、どこに行くのもいつも妻と一緒だった。

妻は出かける前の化粧や洋服選びに時間がかかるし、買い物の時間は長いし、荷物は持たされるしで、本当に一緒に出かけるのが億劫(おっくう)だった。

でも、これからはひとりでどこへでも行けるのだ。

まず何をしたいか?

そうだ、妻が生前に溜め込んだ服や食器を捨てよう! まとめてゴミ袋に入れて、業者にでも引き取ってもらえばいいか。

気に入らなかったアジアン風の籐(とう)のベッドも、食器棚も本棚も全部捨てる!

50枚近くある犬の服も、こんなにはいらない。元々うちの犬は、服を着るのが嫌いなのだ。

これまで妻がうるさいから行けなかった友だちとの飲み会も、「毎晩でも付き合うよ」と友人たちにLINEしとこう!

そうそう。

歌舞伎町のキャバクラのあみちゃんにも、もう堂々とLINEできるのだ。LINEの通知音も消さなくていいし、男の名前で登録しておく必要もなし!