タイ映画『おばあちゃんと僕の約束』財産目当てに祖母と同居を始める孫。この設定はある実話から生まれました
婦人公論.jp6/11(水)12:30

パット・ブーンニティパット監督(撮影:本社・奥西義和)
「ちょっといい話」あの家のセットの中には…
――素敵ですね。映画の中では、家の中も本当にリアルで、年月を重ねているかのようでした。小道具など……家の内側はどういう部分に気を付けて作ったのですか?
もともと置いてあったものが素敵だったので、活かすことにしました。あの小道具の30%は実際にあの家にあったものです。他の部分については、プロダクションデザインを担当したファイさんと、どうすればセットをリアルに見せることができるか相談しました。
通常の映画であれば、古びた感じに見せたり、片付かない雑多な感じを演出します。ファイさんにどうするか聞かれて、私は「じゃあ、逆に脚本を見てどう思った?」と訊ねました。
ファイさんは、「自分の母親のことを思い出した」といい、このことが指標になりました。
実家を出てから大分時間も立つ中で、「母のことで思い出すのは、何でも取っておく人だったこと」だと言うのです。例えば、初めて買った古い自転車、初めての靴、子どもの頃の写真……みんな取っておきたい、子どものことを記録したいと思い、取っておいたというエピソードを教えてくれました。
――なるほど、このお話のおばあちゃんも同じなのですね。きっちりしていそうな方なのに、家の中のモノが多いのは、「メンジュさんが子どもたちの思い出の品を全て取っておいている」という設定に基づいて、物を配置したからということですか。
はい。「ちょっといい話」をしますね(笑)。よく見ると、あの家のセットの中には、ファイさんのお母さんが撮った「ファイさんの子どもの頃の写真」が紛れているんですよ。
ぜひ見つけてくださいね。
<後編につづく>











