素材を活かしたシンプルで美味しい料理が人気を集め、著作は100冊を超える有元葉子さん。環境に配慮した気持ちのいい暮らしも提案しています。(構成=篠藤ゆり 撮影=中本浩平、竹内章雄、青砥茂樹)

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ゴミを出すのは人間だけ

私は、「始末のいい暮らし」とは、「モノを使いきる」「なるべくゴミを出さない」暮らしだと思っています。ゴミを出すのは、地球上で人間だけではないでしょうか。自然界の営みを見てみると、本当に始末がよく、ゴミなど出ません。

森で枯れて倒れた木は微生物やキノコなどの菌類によって分解され、朽ちて森の栄養となっていく。鳥が木の実を食べると、糞に種が混じり、落ちたところから芽が出て新しい命が生まれます。そんなふうにすべて循環するのが自然の理(ことわり)です。そのありさまはとても美しく、見習わなくてはと思います。

そう考えると、人間がモノを大量生産しては使いきらずに廃棄することを繰り返しているのは、とても幼稚です。こんなに地球を汚して、責任を取れるのだろうかという気がします。

私が自宅や料理スタジオでモノを整理するために役立てているのは、旅先などで手に入れた籠(かご)です。


料理家である有元さんの住まいの主役はやはりキッチン。作業台を広くとるために余計なモノは並べない。壁に取りつけた棚板に籠をのせ、雑多なモノを収納している

藤や竹、水草、藁(わら)など自然素材で編んだものが好きで、気づいたら大きなものから小さなものまでかなりの数に。そこで、頻繁に使うこまごまとしたモノを籠に入れているのです。キッチンの目線より高い位置に棚を設置し、そこに並べた籠には鍋つかみや排水口のネット、レジ袋など雑多なモノを収めています。中身が見えないのでとてもスッキリするのが利点です。

収納にプラスチックのケースなどをお使いになる方もいるかもしれませんが、キッチン、あるいは住まいの中で、見えるところに置くのは自然素材だけにすると素敵な空間に生まれ変わります。ぜひ試みてください。