101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。

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<100歳の100の知恵 22>

『ストレス解消に鍋磨き』

仕事と家庭の切り盛りで、目がまわるような毎日を送っていた頃、ときどき、突然台所で鍋磨きを始めることがありました。それはたぶん、今しなければならないなにかをいっとき忘れるための《逃げ場》だったのでしょう。

手を動かしてなにかに専念する時間は、たとえ10分や15分という短い時間であっても、別の世界に自分を置くことになるので気分転換になります。

そんな自分の癖を考えて、ふだんはアルミの打ち出し鍋を使っています。手荒に磨けない鍋は、私の性に合わないのです。アルミの打ち出し鍋は火のまわりも平均してやわらかだし、厚めのものを使えば、少しくらい流しの端にぶつけたところで、へこんだりしません。


無心で鍋を磨いて…(イメージ写真提供:写真AC)

いちどきに全部の鍋を磨くのは大変なので、せいぜい二個か三個。ストレス解消の副産物として鍋がきれいになるのですから、一石二鳥ともいえます。