2021年に開催された東京オリンピックで、野球日本代表が37年ぶりに金メダルを獲得しました。その代表チームを率いたのが稲葉篤紀監督です。現役としては95年にヤクルトスワローズへ入団。05年に日本ハムファイターズへ移籍、14年に引退するまでに首位打者、最多安打のタイトルを獲得。ベストナイン、ゴールデングラブ賞にはそれぞれ5回選出された名選手です。17年に野球日本代表監督に就任してからの4年間で、稲葉さんはどのようにチームを強化してきたのでしょうか。五輪初戦となる「ドミニカ共和国戦」を振り返りつつ、その道のりを紹介します。

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侍ジャパンの持ち味は投手陣を中心とした「守りの野球」

オープニングラウンド第1戦の相手はドミニカ共和国。(編集部註:7月28日に福島県営あづま球場にて開催)

仙台市内での大会前の合宿スタートを翌日に控えた7月18日。チーム宿舎となるホテルの会議室にコーチ陣が集まり、五輪本番に向けた大きな方針が決まりました。

侍ジャパンの持ち味は、投手陣を中心とした守りの野球。山本由伸(オリックス)、森下暢仁(広島)、田中将大(楽天)、大野雄大(中日)の先発投手の中で、山本を投手陣の柱として戦い、7月28日の初戦、ドミニカ共和国戦の先発を任せることになりました。

プロ5年目の山本は、2年目の2018年に主に中継ぎとして54試合に登板するなど、飛躍のシーズンを過ごしました。

翌年には先発に転向し8勝。先発にも中継ぎにも適性がある将来性豊かな右腕を、19年春の強化試合で日本代表に初めて招集しました。そして19年秋のプレミア12ではセットアッパーとして、抑えの山崎康晃(DeNA。「崎」は正しくはたつさき)につなぐ重要な役割を果たしてくれています。

甲斐野央(ソフトバンク)と共に、山本、山崎の3人の「勝利の方程式」が、プレミア12優勝の大きな要因でした。