2022年11月13日、福岡国際センターで始まった大相撲九州場所。先場所は小結・玉鷲の優勝で幕を閉じたが、毎回優勝力士が変わったこの一年、納めとなる今場所はどんな戦いが繰り広げられるのか?『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。

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前回「サッカーと大相撲にも共通点が?! 単独トップの高安、初優勝を狙う阿炎を倒し、悲願の初優勝なるか。巴戦なら大関・貴景勝の可能性も」はこちら

初優勝を狙う者と大関の優勝争い

大相撲1年納めの九州場所は、休場明けの前頭9枚目・阿炎が3人による28年ぶりの巴戦の末、初優勝した。横綱・照ノ富士が膝の手術後のリハビリ中で休場の今場所は、史上初の3場所連続での平幕力士優勝で終わった。阿炎は4回目の敢闘賞も獲得した。

14日目まで2敗で単独トップ、悲願の初優勝かと思えた前頭筆頭・高安は、本割でも巴戦でも3敗で追った阿炎に敗れた。3敗の大関・貴景勝は千秋楽で関脇・若隆景にはたき込みで勝ち、巴戦に臨んだが、一気に阿炎に押し出され、3回目の優勝を逃した。

阿炎は肘と足首の手術をして先場所休場。師匠である錣山親方(元関脇・寺尾)に「今場所はリハビリと思っていけ」と言われたという。驚くべきリハビリとなった。阿炎は優勝賜杯を手にした後の土俵下のインタビューで、体調不良で現在入院中の錣山親方から「一番集中」と毎日メールが来たことを話し、「迷惑しかかけてこなかった」と話して涙を見せた。

一昨年、阿炎は新型コロナウイルス感染予防のガイドライン違反で3場所出場停止になった経験がある。錣山親方も責任を問われた。阿炎はそこから猛反省して、以前とは別人の力士になった。