小栗旬さん演じる北条義時、大泉洋さん演じる源頼朝ら、権力の座を巡る武士たちの駆け引きが三谷幸喜さんの脚本で巧みに描かれるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(総合、日曜午後8時ほか)。11月27日の放送回では「鎌倉最大の悲劇」鶴岡八幡宮での実朝暗殺が描かれ、ネットを中心に大きな反響を呼びました。一方で史実を振り返れば、武士としての天下を取る源頼朝でしたが、直系は実朝までの三代で滅んでいます。その原因には、頼朝のある種の失敗があったと東京大学史料編纂所・本郷和人先生は言いますが――

* * * * * * *

たった三代で滅んでしまった頼朝の直系

第45回となる『八幡宮の階段』では、ついに”鎌倉最大の悲劇”源実朝(柿澤勇人さん)暗殺事件が描かれました。

泰時(坂口健太郎さん)が鶴岡八幡宮の警固をする中、門弟と共に木の陰に潜む二代目鎌倉殿である頼家の子・公暁(寛一郎さん)。一方で儀式を見守る側には、今後の鎌倉と自身の命運を賭して、状況を静観する義時(小栗旬さん)と時房(瀬戸康史さん)、そして三浦義村(山本耕史さん)が。

式を終えて出てきた実朝を公卿と源仲章(生田斗真さん)が迎えて整列すると、牡丹雪が降り積もる中、公暁が飛び出し、仲章を殺害。続けて公暁は実朝のもとへ。

実朝は一旦小刀を抜くも、歩き巫女から聞いていた「天命に逆らうな」という言葉に何かを覚悟し、そのまま逆らうことなく、公暁に斬り殺されてしまいました。

なぜ源氏は頼朝、頼家、実朝の三代で滅びてしまったのでしょうか? 

このことを考えるなら、頼朝本人が失敗したわけではないのですが、彼が、自分自身と将軍の歴史における役割をどのように考えていたのか、という点が焦点になってきます。

頼朝は病気で亡くなります。その跡を継いだ二代頼家は、政争の果てに将軍の地位を剥奪されて、伊豆の修善寺に押し込められる。そして暗殺されます。三代目の実朝は、兄の失脚を受けて将軍になりますが、彼も暗殺されてしまいました。

なぜ頼家は失脚したのか。なぜ実朝は殺されたのか。

頼家の場合は、恐らく北条氏にとって彼の存在が邪魔だった。言ってしまえば単なる北条氏の都合であり、もし違う勢力が権力を握っていれば、頼家が将軍のままで問題なかったかもしれない。

しかし実朝が殺された理由としては、「京都との距離」という武士の政権の根幹に関わる問題がありました。つまり彼は、京都と近くなり過ぎてしまったのかもしれません。