小栗旬さん演じる北条義時、大泉洋さん演じる源頼朝ら、権力の座を巡る武士たちの駆け引きが三谷幸喜さんの脚本で巧みに描かれるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(総合、日曜午後8時ほか)。12月4日の放送回では、新たな鎌倉殿を迎えるべく、北条義時、大江広元(栗原英雄さん)たちは朝廷に伺いを立てます。そして実衣(宮澤エマさん)が野心を燃やし、三浦義村(山本耕史さん)が暗躍する中、京では鎌倉への不信感をさらに高めた後鳥羽上皇(尾上松也さん)が……といった内容が展開しました。 一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第17回は「北条政子は本当に将軍なのか」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

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尼将軍・政子の誕生

前回のドラマでは、都から九条道家の三男・三寅(のちの藤原頼経)を迎えるという形で、四代目鎌倉殿がようやく決まりました。

しかし三寅はまだ2歳。元服して征夷大将軍の座に就くまで誰が支えるか、という議論が鎌倉で起こります。

そんな中、北条政子は「民に寄り添う」政(まつりごと)をするため、そして妹・阿波局(実衣)を守るため、自ら将軍として立つことを決断。尼将軍・政子の誕生です。

でも彼女は、あくまで教科書的には歴代の「将軍」として数えられていないようです。いったいなぜでしょうか? 

今回はこのナゾについて考えてみましょう。