1人暮らしの大学生たちの語らいの場を復活させようと、福井県永平寺町内の学生専用マンションに食堂を整備する計画が進んでいる。学生が気軽に集い、新たな交流拠点となる空間を目指し、施設整備費の一部をクラウドファンディング(CF)で募っている。5月17日にオープンする予定。

 同町松岡上合月の学生専用マンション「パンション九頭龍」には居酒屋「りゅう」があり、学生の歓迎会や飲み会などが行われるなど交流の場となっていたが、2022年冬ごろに閉店した。

 食堂を整備するのは、人材コンサルティングなどを手がける「akeru」(福井市)。同社の大連達揮社長は福井県立大学在学中に、何度か「りゅう」に足を運んでいたこともあり「なんとか復活できないか」と、今年2月に改修工事に着手した。

 メニューは▽チキン南蛮▽焼き魚▽旬の野菜と豚のしょうが焼き―の3種類。小鉢も複数用意する。当面は午前11時〜午後2時のランチ営業のみだが、夜の営業も検討している。

 地域住民に家庭菜園の野菜を持ち寄ってもらい、学生に持ち帰ってもらったり、収穫体験のイベントを定期開催したりするなど、学生と地域がつながる機会も創出させたい考え。大連社長は「新鮮な食材の手料理を食べてもらうのはもちろん、ふらっと立ち寄れる空間で、さまざまなつながりが生まれる場になれば」と期待する。

 CFは福井県に特化したサービス「ミラカナ」で目標額は150万円。リターン(返礼)は「ランチチケット2枚(5千円)」や農業の収穫体験などが楽しめる「ランチチケット2枚と体験コース(1万円)」などを用意。学生を含めた多くの人に関わってもらいたいと返礼がない500円コースも設けている。集まった資金は花壇や棚といった備品購入などに充てる。