福島県石川町の官製談合事件、その影響は町民の暮らしにも広がり始めている。町の認定こども園は12月に予定していた開園が延期され、見通しが立たない状況だ。

官製談合防止法違反などの疑いで再逮捕され、5月22日送検された前の町長・塩田金次郎容疑者(76)と、「志賀建設」で当時入札を担当していた関根徳夫容疑者(69)と添田保雄容疑者(63)。
今回疑いが持たれているのは、認定こども園の工事をめぐる入札の不正だ。塩田容疑者が秘密事項の予定価格を教え、関根容疑者と添田容疑者に落札させたとされている。

一連の官製談合事件の影響は、町民の暮らしにも広がり始めている。
福島テレビ・浅野晋平記者:「現在、建物の建築が進められているこちらの認定こども園。町の入札が停止している事で、今月予定してた園庭や遊具、フェンスの設備など付帯工事の入札もストップしているということです」

12月の開園を目指し、工事が進められていた町の認定こども園。町内2カ所の保育所を再編させ、0歳児から5歳児までの約150人が通う予定だった。
しかし、事件を受けて5月の入札が中止され工事を進めることが出来ないため、町は議員全員協議会を開き、開園の延期を報告した。

開園時期が見通せず、現在の保育所の利用をしばらく余儀なくされる保護者からは…「悔しさと残念な気持ちでいっぱいですね。子どもにも申し訳ない気持ちもある」「町民にとってクリーンな。一生懸命やってくれていると思うんですけど、もうちょっと責任を持ってやっていただければと思います」と話していた。

21日別の官製談合事件にも関与したとして起訴された塩田容疑者など3人。
起訴状などによると、塩田容疑者は入札の5日前頃に平田村の添田容疑者の自宅を訪れ、入札の予定価格を伝えていたとみられている。

事件の波紋はどこまで広がるのか。警察は、塩田容疑者が金品の授受など見返りを受けていたかどうかについても調べを進める方針だ。