2024年も予想される酷暑。国は、8月から電気代と都市ガス料金に関し補助金を再開する。8月、9月使用分について、電気代は家庭用で4円・企業は2円。都市ガスは、家庭用で17.5円が補助され、10月は補助が縮小される。

<7月は補助金なしで乗り切る>
一般的な家庭の場合、1カ月の電気代は1600円、都市ガスは525円が補助されるが、福島と郡山の2023年の月別の最高気温の平均を見ると、8月がピークになっていて…次いで7月、9月となっている。補助の対象期間は8月から10月で、例年トップクラスに暑い7月は補助なしで乗り越えなくてはならない。
7月の負担はどれほどか、高齢者施設では電気代とにらめっこが続いている。

<夏は特に注意が必要>
福島市にある特別養護老人ホーム「なごみの郷」には、ショートステイやデイサービスも含め約100人の利用者がいる。
小林康男施設長は「これから夏に向けて、脱水症・その他疾患の増悪などに気を付けなければならない時期」だと話す。
6月には30℃を超える暑さが続いた福島市。利用者が体調を崩さないよう、エアコンは26℃から27℃に設定し、フル稼働させている。

<悩みの種は…電気料金>
これからが本番の暑さ、電気代の負担がさらに増すのではと頭を悩ませている。コストカットの一手として、館内の照明は全てLEDライトに。
また太陽光パネルを取り付けたことで、年間で4000万円ほどかかっていた電気代は、約20%の700〜800万円の削減を見込んでいる。

<施設を襲う値上げの波>
ただ値上げの波は、電気料金に限らず、入浴で使用するガス料金や食料品にも押し寄せている。
8月から国が再開する方針の、電気・ガス料金の補助。歓迎の一方で、小林施設長は「8月からまた助成金が出るということなので、どのぐらい差があるのか心配」と話し、補助が出るまでの間にどれほどの出費となるかが気になるという。

介護の現場では、サービスの質を下げずコストを削減する努力が続いている。