三振率「K%」21.6%は12球団でワースト、好機での勝負弱さも…

 2021年が始まり、2月1日のキャンプインが迫ってきた。球春到来も目前。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で12球団のキャンプは当面の間、無観客で行われることになる中で、新たなシーズンに向けて選手たちは課題の克服、更なる成長のために汗を流すことになる。

 それでは、新たなシーズンに向けて、各球団が解消すべき課題はどこにあるのだろうか。ここではいくつかのセイバーメトリクスの指標を用いて、昨季の成績から各球団の“弱点”を検証して見たい。検証には、セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTAのデータを参照した。第1回はセ・リーグ覇者の巨人だ。

 まずは攻撃面だ。巨人は昨季リーグトップの132本塁打、532得点を叩き出してセ・リーグを独走した。チーム打率.255もリーグ3位の成績で、打線の破壊力は十分なものがある。ただ、三振率を表す「K%」が21.6%と12球団ワースト。岡本和真ら中軸の選手の三振率が高いのであればまだ分かるが、大城卓三や松原聖弥といった面々の三振率が高い。中軸の脇を固める打者たちの精度が高まれば、より打線として脅威的なものとなりそうだ。

 また、巨人打線の特徴の1つとして、より重要度の高い場面で、通常時よりもどれだけ結果を残したかを表す「Clutch」という指標が「-4.98」と12球団でブービーとなっている。昨季100打席以上立った打者では中島宏之や坂本勇人、大城らのマイナスが大きくなっている。チーム全体としてはチャンスの場面は、通常時よりも弱いということになる。

投手の奪三振率、与四球率はどちらもリーグ中位クラス

 守備面では吉川尚輝が主に守る二塁と、岡本和真が守る三塁の「UZR」が12球団トップの指標を叩き出している。その一方で大城が中心の捕手と丸が不動の中堅がマイナス指標に。二遊間を除くセンターラインの強化が求められそうだ。チーム全体のUZRは55.3とセ・リーグでトップとなっている。

 投手陣を見てみよう。昨季の巨人は奪三振率「K%」20%は3位、与四球率「BB%」8.8%は4位といずれもリーグ中位クラス。1イニングに出す走者の割合を示す「WHIP」1.22は12球団でトップとなっており、このことから打たせて取るアウトが多くなっていることが分かる。

 打たせて取る点はバックを守る野手陣の守備力や飛んだ打球方向など運による要素で結果は変わる。昨季の投手陣の好成績はリーグトップの守備指標をマークした守備力によるところもある。巨人の投手陣がより強力になるためには奪三振率を高めつつ、四球を減らせるようにしたいところだ。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。