チーム盗塁数「8」は12球団ワーストで唯一の1桁

■巨人 4ー2 DeNA(11日・横浜)

「もう1本が出なかった」。DeNAの三浦大輔監督は敗戦後に、こう口にすることが増えた。4月に2分けを挟み10連敗を喫した時のどん底の状態は脱し、コロナ禍で遅れてチームに合流したタイラー・オースティン外野手、ネフタリ・ソト内野手の長打で豪快に打ち勝つケースが増えたが、ここぞの場面で1点を取れない拙攻が目立ち始めた。

 11日に本拠地・横浜スタジアムで行われ、2-4で惜敗した巨人戦も象徴的だった。1回にはオースティンが同点6号ソロ。1点ビハインドとなった5回にも、オースティンの左前適時打で追いついたが、なおも続いた1死一、二塁の勝ち越し機には、5番の牧が空振り三振。6番のソトも三ゴロに倒れ、巨人先発の戸郷を崩し切れなかった。同点の7回にも2番手の野上を攻め、1死一、二塁と詰め寄ったが、4番の佐野が一ゴロ、続く牧も右飛に終わった。三浦監督は「食らいついていったが、もう1点が遠かった。中盤(5回)もそう。もう1点というところで同点止まりだった」と悔しさをにじませた。

 拙攻が多い一因が、走力にあることは間違いない。11日現在、チーム盗塁数「8」は12球団ワーストで唯一の1桁。昨季の年間31も12球団ワーストだったが、そこからチームトップの14盗塁を稼いでいた梶谷が巨人へFA移籍してしまい、そもそも走れる選手が圧倒的に少ない。オープン戦では失敗を厭わず、数多くトライし経験値を積んだが、そう簡単に成功するようになるものでもない。

3番では打率.388、5番では1割台の牧

 この日も1回、先頭の桑原が中前打で出塁し、続く田中俊のカウント1-0から2球目に走ったが、外角へ大きく外すピッチアウトで田中俊は空振り。桑原はまんまと網にかかる格好で刺された。

 盗塁数を劇的に増やすすべがない以上、いかに打線をつなげるかを考えるしかない。2番打者の人選は重要なポイントの1つだ。4月22日の中日戦以降、17試合連続でスタメン遊撃の選手が2番を務めており、柴田、倉本、大和、田中俊、知野の5パターン。柴田は試合中の交錯プレーで左肩を脱臼し、4月24日に抹消。代わりに知野が1軍に昇格した。倉本は一塁へヘッドスライディングした際に左手薬指を痛め、5月10日に抹消。第二関節の脱臼と中節骨の剥離骨折と診断された。

 この日の田中俊は前述の通り、1回にランエンドヒットが不発に終わった後、5回無死一塁では送りバントを決めてオースティンの適時打につなげ、7回無死一塁でも送りバントを決めたが、こちらは後続が倒れた。三浦監督は「しっかりバントを決めてつないでくれた」と称えたが、最近は2番にスラッガーを置くチームも多いだけに、再考の余地もありそうだ。

 ドラフト2位ルーキーの牧も打順もポイントだろう。開幕から3番に座り、当初は打撃3部門全てでリーグトップを争うほどの大暴れだったが、オースティン、ソトの復帰を受け、4月18日の巨人戦以降は得点圏打率の高さを買われて概ね5番に定着している。相手に研究されたこともあるだろうが、結果的に3番を務めた17試合では打率.388(67打数26安打)5本塁打17打点。5番の16試合は.164(61打数10安打)1本塁打6打点と、対照的な数字が残っている。4割を誇っていた得点圏打率も、現状では.279まで落ちた。

 就任1年目のシーズン序盤から最下位を潜行。投手出身の三浦監督がオーダーに頭を悩まされる日々が続いている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)