千賀は左足首の靭帯損傷で復帰まで2〜3か月

 全国的な新型コロナウイルス感染拡大で予断を許さない状況が続く中、東京五輪の開幕まで3か月を切った。2019年に行われた「第2回WBSCプレミア12」で世界一を手にしている侍ジャパンは、1984年のロサンゼルス五輪以来9大会ぶりの金メダルが期待されるが、ここにきて選出が有力視されている主力選手に故障が相次いでいる。

 まず挙げられるのが、巨人の両輪。昨季最多勝に輝いた菅野智之投手は、今季6試合に先発し、2勝2敗、防御率1.93をマークしていたが、今月7日のヤクルト戦(東京ドーム)で右肘の違和感を訴えて緊急降板。大事を取った可能性もあるが、開幕直後の3月下旬には脚の違和感でも登録を外れている。五輪では大車輪の活躍が宿命付けられた球界のエースなだけに、不安は残る。さらに2日後の9日には、坂本勇人内野手が帰塁の際に右手母指(親指)末節骨を骨折。復帰まで1か月程度かかるとの見方もあり、復帰したとしてもコンディション次第では五輪に影響が出てくる。

 さらに先発陣では、ソフトバンクの千賀滉大投手が4月6日の日本ハム戦(札幌ドーム)で、ライナーを捕球した際に左足を捻って靭帯損傷。復帰には2?3か月要する見込みで、2017年のWBCで日本人唯一のベストナインに選出された右腕に黄色信号が灯った。一方、昨季沢村賞を獲得した中日・大野雄大投手は上肢のコンディション不良で今月9日に抹消されたが、早期の復帰の可能性も。1日も早く万全な状態になることが待たれる。

 五輪では出場選手枠が24人に絞られるため、複数ポジションを守れることも重要。そんな中、西武・外崎修汰内野手が、4月3日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で死球を受けて左腓骨を骨折。復帰には3か月かかるとも言われている。プレミア12では内外野を守ったユーティリティが不在となれば、侍ジャパンにとって痛手となる。

国際経験豊かな田中将大の存在も大きくなる?

 稲葉篤紀監督にとって不安の種になってきそうな有力候補の離脱。現状でエース候補として挙げられるのはオリックス・山本由伸投手か。プレミア12では主にセットアッパーを担当したが、先発に回る可能性は十分にある。また、昨季新人王に輝いた広島・森下暢仁投手や、史上初の3球団で最多勝を達成した楽天・涌井秀章投手、8年ぶりに日本球界に復帰した田中将大投手らも候補として上がる。田中将はここまで4先発で2勝2敗、防御率3.00。突出した成績ではないものの、2008年の北京五輪や2009年、2013年のWBC出場。国際舞台の豊富な経験は大きな戦力になるのは間違いない。

 野手では、もし遊撃に穴があいた場合、西武・源田壮亮内野手が大本命として名前が上がりそうだ。ここまで、全試合に出場し、打率.270、7打点、8盗塁。3年連続ゴールデングラブ賞の守備は揺るぎない。中日・京田陽太内野手らも控えるが、打撃面の物足りなさは否めない。

 打撃力のあるユーティリティという面では、外崎の右に出る選手を見つけるのは容易ではない。もし外崎の出場が厳しくなった場合、プレミア12で主に守った三塁は、経験豊富なソフトバンク・松田宣浩内野手や、現在本塁打トップのヤクルト・村上宗隆内野手、巨人・岡本和真内野手らが有力候補に挙がってくる。内外野をこなせるという面では、阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手もサプライズでの選出の可能性もあるかもしれない。

 プレミア12では、ソフトバンク・周東佑京内野手の選出など驚きの采配も見せた稲葉篤紀監督。故障者の早期復帰が一番だが、状況を見極めながらの選考になっていきそうだ。(Full-Count編集部)