東海大の亀田啓太はこの日、今季2本目の本塁打を放った

 フェンスを越えたのを確認してから、走る速度を緩めた。24日に「プロ野球志望届」を提出した東海大・亀田啓太捕手(4年)は26日、川崎市の等々力球場で行われた首都大学野球1部リーグの武蔵大戦で、この秋2本目の本塁打を放った。現在打撃好調で、守備でも首位を走るチームの要として活躍できている裏には、目標とする先輩の存在があった。

 1-0で1点リードした4回1死の場面、「5番・捕手」で出場した亀田は、3ボール1ストライクからの5球目を叩いた。内角の直球へバットを振りぬくと、打球は左翼席のポール側に消えていった。

「先っぽだったんですけど、入ってよかったです」と、ホッと胸を撫で下ろす。守っては、先発・安里海投手(4年)を1失点完投勝利に導く好リード。攻守で活躍した。

 小学校から捕手一筋だった。山梨・東海大甲府高時代には4番も任されたこともあり、通算15本塁打を放った。東海大に進学すると、1年春からベンチ入り。4年となったこの春から正捕手を任されるようになった。

2学年上のソフトバンク・海野とは寮で同部屋、気軽に相談できる存在だった

 NPBを目指す決意をしたのは、今年8月ごろ。「挑戦させて欲しい」と、井尻陽久監督と両親に直訴し、志望届を提出した。その背景には目標としている先輩、ソフトバンクの海野隆司捕手の存在があった。

 大学入学時、寮の同部屋が海野だった。2学年離れていたが、何を聞いても気軽に答えてくれる存在だった。中でも、印象に残っている言葉がある。捕球動作で、ミットを動かして審判に注意されることが続いていた時だった。

「何度も注意を受けて……。動かさない方がいいのかなと思って海野さんに相談したら、『動かしてなんぼや』と言ってくれたんです」。その言葉で、気持ちが楽になった。めげずに自分の“フレーミング”を貫くと、徐々に際どいコースを取ってもらえるようになり、審判に指導を受けることも少なくなった。

 その海野は、2019年秋のドラフトでソフトバンクから2位指名を受け、プロの舞台へ進んだ。「自分も憧れの舞台ですし、そこを目指してやってきたので、思い切りやるだけですかね」。先輩の姿を追い、上の舞台で戦うためにも、まずはリーグ戦で結果を残し、チームの勝利に貢献する。(川村虎大 / Kodai Kawamura)