惨敗エンゼルスへの率直な思い「球団は好き。ただ、それ以上に勝ちたい」

■マリナーズ 5ー1 エンゼルス(日本時間27日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手は26日(日本時間27日)、マリナーズとの今季本拠地最終戦に「2番・投手」で出場し、7回10奪三振5安打1失点と好投したものの勝敗付かず。今季10勝目はならなかった。両リーグでは1918年にベーブ・ルースが記録している2桁勝利&2桁本塁打の快挙達成は、3度目の持ち越しとなった。チームは救援陣が崩れ、1-5で力負け。試合後、大谷はチームへ抱く率直な思いを明かした。

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「エンゼルスに残留したい気持ちは」。約17分の記者会見。大谷は米メディアのストレートな問いかけに偽りのない本音を打ち明けた。

「そうですね。もちろんファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好きであるので。ただ、それ以上に勝ちたいという気持ちが強いですし、プレーヤーとしてはそれの方が正しいんじゃないかなと思っています」

 4年目の今季は9勝&45発。キャリアハイはもちろん、断トツのMVP候補に挙がる活躍を見せている。ただ、チームはポストシーズン進出争いにさえ加われない低迷ぶり。本来ならトラウト、レンドンらの強力打線が引っ張るはずが、今季は主力選手に故障者が続出した。

 さらに「プレーオフを逃し、フラストレーションが溜まることはあるか」という質問に、ここでも本音を打ち明ける。

「ありますね、やっぱり。もっともっと楽しいというか、ヒリヒリする9月を過ごしたいですし。クラブハウスの中もそういう会話で溢れるような9月になることを願っていますし、来年以降そうなるように頑張りたいなと思います」

新戦力の突き上げに期待できないエンゼルスの現状

 ただ、現状のエンゼルスの未来は決して明るくない。大リーグ公式サイトが選出する若手有望株トップ100のうち、エンゼルスの選手は今季デビューした左腕デトマーズら2投手だけ。マイナーからの突き上げも多くを期待できない上、トラウト、レンドンら大型契約の野手陣が多い。抜本的な戦力補強に限りがあるのが現実だ。

 大谷は「周りを左右するのは難しいこと。僕は僕で個人としてチームにどうやって貢献できるのかを考えてやりたい」と自身に視線を向けた。だが、現時点ではトラウト、大谷の2大スターの全盛期を無駄にしていると言わざるを得ない。

「なかなか主力が帰ってこないとなって、モチベーションとかがズルズルいった印象。このままでは勝てないんじゃないかなと思います」。少なくとも大谷が会見でここまで“ぶっちゃけトーク”するのは異例中の異例だ。球団側との契約延長についての話し合いは「現時点ではないですね」と話す。FAとなるのは2023年オフ。たとえエンゼルスから移籍となってもおかしくない。

 この日の7回降板後、大谷はダグアウト内で商売道具のバットを叩きつけた。日頃は冷静なスーパースターがファンやカメラの“視線”がある中での怒りを見せたのは、相当なレアケースだ。大谷は「やっぱり7回をゼロで抑えたかった」と理由を語ったが、決してそれだけが理由だけではないだろう。

「チームを勝たせなきゃ二刀流をやる意味はない」と語っていたのは恩師・栗山英樹監督だ。ただ、大谷が投打でベストなパフォーマンスを見せても伴わないチーム戦績。大谷も来年7月5日で28歳になる。エンゼルスがオフにどのような動きを見せるのか注目だ。(小谷真弥 / Masaya Kotani)