青山浩二さんは昨季楽天を引退、今季からアカデミーのコーチを務める

 昨シーズン限りで引退するまで先発、中継ぎ、抑えとして15年間、通算625試合に登板した青山浩二さんは現在、現役時代と同じ楽天でアカデミーコーチを務めている。First-Pitch編集部で明日の指導に使えるヒントを届ける「ひきだすヒミツ」を連載中。青山さんが子どもたちに教えている投球フォームは、現役生活を終えるまでに導き出した答えだった。【間淳】

 青山さんは現役時代、最速151キロのストレートにスライダーやフォークを組み合わせて打者を翻ろうした。指導で重視するポイントは「溜めた力を逃さない」「力をロスなく100%ボールに伝える」という2点。長年、プロで活躍するために導き出したのが、効率良くボールに力を伝える投球フォームだった。主に以下の点を意識するよう指導している。

○軸足1本でしっかりと立つ

 軸足1本でグラグラせずに立てる高さまで、左足を上げる。足を高く上げることが重要なのではなく、体幹を使ってバランスよく真っすぐ立てる高さに左足を上げるのが大切。それにより、軸足の右足に体重がしっかり乗る。

○体重移動

 右足から左足に体重移動する際、頭の位置を動かさない。

○3秒ピタッと止まる

 投げ終わった後に、踏み込んだ足に体重を乗せ、3秒間“ピタッ”と止まる。力が左右に逃げてしまうとバランスを崩して止まれない。止まれるのは体重移動がしっかりできている証拠。ボールに力を伝えられるだけでなく、次の動作にも移りやすいのでライナーやゴロにも反応できる。

「大きな怪我につながらないように、シンプルな投げ方を教えています」

 力に頼らないバランスの取れた投球フォームは球速や制球力を上げるだけではなく、怪我の予防にもつながると考えている。自身はシーズンをリハビリに費やすような大きな怪我こそなかったが、膝や脇腹などの故障で戦列を離れることがあった。その経験からも、体に負担がかからない投球フォームの大切さを実感している。

「投げる動作は関節に対して非日常の動きなので、すごく大きな負担がかかります。速いボールを投げる有望な選手が怪我をして野手に転向したり、早くに引退したりするのを見てきて、もったいないと感じていました」

 特に、骨ができあがっていないジュニア世代には、バランスを考えた投球フォームの必要性を説く。関節が外れたり、骨が変形したりするリスクを指摘し「将来、大きな怪我につながらないように、なるべくシンプルな投げ方を教えています。基礎的なことを覚えてもらって、そこからアレンジして、自分に合った方法を見つけてもらえればと思っています」と語る。そして、自戒の念を込めて続ける。

「年齢を重ねると、失敗するまで人のアドバイスに耳を傾けなくなってしまいがちです。自分自身も、もっと早くから知っておけばよかったこと、取り入れておけばよかったことがあります。人の話を理解して継続できるかは本人次第ですが、自分の経験や考えを子どもたちに伝えていけたらと思っています」

 シンプルな投球フォームには、パフォーマンスアップと怪我の予防につながるヒントが詰まっている。(記事提供:First-Pitch編集部)