強肩強打の右翼手である大田がニーズに合うのは…

 日本ハムは16日、海外FA権を持つ西川遥輝外野手、国内FA権を持つ大田泰示外野手と秋吉亮投手と協議の結果、来季の契約を提示せずに保留手続きを行わないと発表した。日本ハム側は再契約の可能性も残しているが、いったんは自由契約となり、国内外全ての球団と入団交渉を行うことができるようになる。

 大田は31歳、西川は29歳とまだ老け込む年齢ではない。今季は両者ともに不振に終わったものの、来季以降、浮上する余地はある。西川は今季打率.233だったものの、出塁率は.362とまずまず。例年は.350前後を記録していたBABIP(本塁打を除くインプレー打球のうち、安打となった割合を示す指標)が.289と低くなっており、例年に近い水準に回帰すれば、成績も上向くことが期待できる。大田も今季は打率.204、出塁率.257と大不振に陥ったが、例年.330ほどのBABIPが今季は.259に低下。こちらも浮上の可能性はある。

 では、大田、西川がフィットしそうな国内他球団はあるのだろうか。

 大田は強肩強打の外野手で、主戦場は右翼手だ。ここに課題を抱える球団として真っ先に挙がるのはセ・リーグの中日か。今季、右翼で最もスタメンで出場したのは球界最年長の福留孝介で38試合。これに次ぐのはロッテからトレードで加入した加藤翔平の19試合で、根尾昂の17試合、平田良介の15試合と続く。ドラフトで上武大のブライト健太、駒大の鵜飼航丞と2人の強打の外野手を指名したが、実績と経験のある大田は魅力的な存在ではないだろうか。

 また中日以外にも、鈴木誠也外野手がポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦することが決まった広島も右翼のポジションが空く。大田にとって古巣でもある巨人は今季中盤以降、松原聖弥が右翼の定位置を奪ったが、外野の選手層はやや薄いか。外野の層の厚さはあるものの、右の強打者が積年の課題となっているソフトバンクのニーズにも意外と合うかもしれない。

出塁率を残せるリードオフマンタイプの西川が合うのは…

 一方で西川はどうか。西川は俊足巧打でリードオフマンタイプの外野手。前述の通り、今季は打率.233と不振を極めたものの、出塁率は.362と決して低くなかった。肩の弱さが度々、指摘されており守備面には不安が残るが、リードオフマンの欲しい球団が、左翼手として起用できれば、十分に戦力になる可能性はある。

 ソフトバンク、巨人あたりはこのニーズにフィットするかもしれない。今季4位に終わったソフトバンクは、1番打者の出塁率の高さが課題だった。三森大貴や牧原大成が1番を打ったが、出塁率は牧原大が.305、三森が.272と決して高くはなかった。外野には柳田悠岐、栗原陵矢、中村晃らがおり、レギュラー獲りを目指す上林誠知や柳町達らも居るが、高い出塁率と俊足が武器の西川は生かせる存在だ。

 また、巨人も候補になり得る存在。今季は新戦力の梶谷が結果を残せず、77試合で1番には松原が起用された。打率.274、出塁率.333の成績を残したが、リードオフマンとしては物足りないところ。左翼では今季ウィーラーが最多の82試合で起用されているが、ベテランの亀井が引退したこともあり、戦力になる余地は十分にあるだろう。この他にもニーズのある球団はありそう。秋吉もまだ32歳と年齢的には問題なく、リリーフを手厚くしたい球団にとっては魅力的ではないだろうか。

 西川は2億4000万円、大田は1億3000万円(金額はいずれも推定)とされる高年俸がネックになるだろうが、他球団にとっては補強の候補に十分になり得る存在だ。自由契約となることで、FA権を行使した場合と違い、条件面の制限もなくなるだけに、争奪戦となる可能性も秘めている。(Full-Count編集部)