父であるムネリンも感じる課題「少年野球のあり方って悩ましい」

 少年野球の監督と保護者の良好な関係性は、いいチーム作りには欠かせない。ただ、休みを割いて無償で担っていることも多い指導者に対し、親側は方針などについて意見を言うのをためらうケースも。不満を抱える危険性を回避するには、どうすべきか――。自身も子を持つ父である元ソフトバンクの川崎宗則内野手は、両者の立場になってそれぞれの思いを代弁する。

 子どもたちの健やかな成長が第一だが、技術向上や試合での勝敗も複雑に絡んでくる少年野球。中には、起用法など指導について疑問を抱く親も。一方で、存在が大きくなるあまり独善的なチーム運営をしてしまう指導者もいる。実際に現場からの声を聞くことが多い川崎も「少年野球のあり方って悩ましい。これからみんなで考えるべき」と課題を感じている。

 メジャー時代の2012年から5年間過ごした米国では、よりビジネスライクの関係性で成り立っていたという。チップなどによって少額でも金銭が発生することで、サービスを提供する側と受ける側の立場か明瞭に。「でも、日本人はビジネスを嫌うからね。これは文化だと思うし、曖昧が一番いいという考え方もある」と違いを語る。

 その“曖昧さ”に、折り合いをつけるには……。保護者の立場としては「仮に小学4年から入ったとすれば、中学までの3年間遊ばせてくれる、お腹をすかせる環境があると認めないといけない」と説く。子どもを試合に出させたい、上手くさせたいという気持ちが先行するのは禁物。「中学生になるといよいよ実力差が出てくるし、子どもも自分たちで分かる。現実を知るのが中学生」。少年野球は“勝負の場”ではないという。

 勝ちに躍起になってしまえば当然、監督に矛先が向く。「子どもたちの適性を常に見抜こうとやっているんだろうけど、親御さんたちから見たら『ん?』って思う時もある。でも、監督さんたちが文句を言われるのは寂しいよね」。野球が好きで、子どもたちが好きでやっている指導者。「僕としては、監督になって良かったなと思えるような環境づくりをしてあげたいなと思います」と川崎は言う。

 大人が肩肘張ってもいい環境は生まれないとの思いは強い。「リラックスしてもらって、みんなでワーワー楽しくお弁当を食べたりコーヒーを飲んだりしながらやるのがいいのかもしれない」。子どもたちが生き生きと白球を追える場がひとつでも多く生まれることを、ムネリンは願っている。(小西亮 / Ryo Konishi)