北海道・白樺学園から高卒で入社した片山楽生が6回途中を2安打1失点

 19歳とは思えないマウンド捌きだった。5日に東京ドームで行われた第92回都市対抗野球大会2回戦。TDK戦に先発したNTT東日本の高卒ルーキー・片山楽生(かたやま・らいく)投手は5回1/3をわずか2安打に封じて1失点と好投し、チームを勝利に導いた。

 社会人の公式戦で初の先発登板。緊張したというが、気負いはなかった。「都市対抗だからということはなかったです。ダメだったらダメでしょうがないという気持ちで投げました」と割り切った。初回は初の東京ドームのマウンドに苦戦。3者凡退に抑えたものの、リリースが早くなっていて、制球が安定しなかった。

 ただ、そのままズルズルいかなかったのが、この19歳の優れたところ。安田武一コーチの「下半身を前に押し込んで」という助言を受けてフォームを修正。140キロ中盤の直球を中心に試合を組み立て、6回1死走者なしでTDKの北畠栞人に同点ソロを被弾するまで、わずかに1安打と力投。チームはその後、5人の継投で3-1で勝利した。

 北海道・白樺学園高時代はエースとして2年秋に神宮大会で4強入り、選抜はコロナ禍で中止に追い込まれたものの、夏の交流試合で山梨学院高を相手に先発、甲子園の土を踏んだ。プロ志望届を提出したが指名漏れしNTT東日本に就職、3年後のプロを目指して関東にやってきた。「社会人になってレベルが1つ、2つ……格段に変わって。野球そのものが全然違うなと感じました」。現実に直面するも、地道な努力を積み重ねた。練習試合で好投し、飯塚智広監督は本大会初戦が始まる前に10代での先発を任そうと決めた。

 大役を託した指揮官は「100点満点。NTT東日本では多分初の10代での先発登板。歴史に名を刻んでくれました」と大絶賛した。ただ、本人は至って冷静で「修正する部分は修正して、チーム一丸となって準々決勝、準決勝、決勝、優勝と頑張っていきたい」。期待のルーキー右腕がNTT東日本に3度目の“黒獅子旗”を持ち帰る。(川村虎大 / Kodai Kawamura)