今年は33人が参加、2018年から2年連続で受験した元中日右腕が当事者の思い

 プロ野球の12球団合同トライアウトが8日に行われ、元NPB戦士ら33人が参加した。戦力外を受けた選手たちにとっては、再起の望みをかけたアピールの場。受験後は、球団からの連絡をひたすら待つことになる。長いようで、短いような待機の日々。過去の経験者は「落ち着かなくて、普通の生活はできないですね」と心境を代弁する。

 アピールの成否に関わらず、待つのは変わらない。「トライアウトが終わった後は『獲得したい球団があった場合、1週間後に連絡が来るのでお待ちください』とアナウンスがありましたね」。2018年限りで中日を戦力外となり、その年から2年連続で受験した若松駿太投手(現BC福島兼任コーチ)は、当時を振り返る。

 1度目の受験となった2018年。早くも翌日から他選手が“合格”したニュースを目にした。最終的には、巨人戦力外の中井大介内野手がDeNAへ。ヤクルト戦力外の成瀬善久投手は入団テストをへてオリックス加入した。「やっぱりこの人が合格したのかという感じでした。実績もありますし」。反面、自らにはNPB球団から連絡は来ず、日が過ぎるたびに焦燥感が募った。

「自分では普段通り生活しようと心がけていましたが、周りからは『落ち着きがないね』と言われましたね。常にスマホは近くに置いていて、お酒を飲むのも控え気味でした。酔っ払っている時に電話かかってきたらやばいので(苦笑)」

 待っている間、心がざわついた瞬間もあった。受験から3、4日後、登録していない電話番号からの着信。「やっぱり期待しちゃいました。知らない番号からの電話ですから。もしかしたらって……」。相手は、クラブチームの関係者だった。もちろん誘いが多いのはありがたいが、第1希望はNPB球団だっただけに複雑な思いで応対した。一喜一憂の1週間をへて、最初に声をかけてくれていたBC栃木に新天地を決めた。

 2度目の2019年は、比較的穏やかな心持ちで過ごした。「もう可能性はほとんどないと分かっていたので、区切りをつけるために受けたという面もありました」。独特の雰囲気で行われる再起の場を経験した身として言えるのは「受けずに終わるよりは良かったかなと思います」。経験者として、今年もひとりでも多くに“吉報”が届いてほしいと願っている。(小西亮 / Ryo Konishi)