新体操を16年、菊池桃子さんは“大けが”から夢を叶えた

 巨人の公式マスコットガール「VENUS(ヴィーナス)」は総勢22人で東京ドームやジャイアンツ球場などホームゲームを華やかに盛り上げている。Full-Countでは選手とともに優勝を目指すメンバーにインタビュー。第2回は見事な“I字バランス”ポーズでファンを魅了する菊池桃子さん。その開脚する姿はまるで数字の「1」のよう。そこから「1位ポーズ」と名付けられている。

 菊池さんは小さい頃から踊ることが大好きで、幼少の頃から新体操に夢中。自分のパフォーマンスで誰かを幸せに、笑顔にしたい――。その気持ちひとつだった。

 しかし、試練が訪れた。左膝の前十字靭帯を断裂。16年続けた新体操ができなくなってしまった。

「1年くらいは動けなくて、入院もしました。16年の月日を新体操にかけてきたので、新体操をとったら自分には何も残らないんじゃないかと思いました」

 下を向く日が続いていたが、ある日、両親と東京ドームの巨人戦を観戦したことが転機となった。人を笑顔にしていた幼い記憶が蘇ってきた。

「ヴィーナスがすごく笑顔でキラキラしていて……。キレキレのパフォーマンス、華やかな姿に励まされました。自分のパフォーマンスで人を幸せにしたい。やりたいことが、ここにある!と思いましたね」

 そこから、迷いは消えた。左膝は完治していなかったが、ヴィーナスのオーディションに応募し、見事に合格を掴んだ。

「ヴィーナスという存在に自分自身も勇気をもらいましたし、今自分がその立場に立ち、幸せを届けられるということが恩返しできているような気がして、自分にとってかけがえのないことだと思っています」

1位ポーズが生まれたきっかけは…

 ヴィーナス加入後から、新体操の技を東京ドームで披露し続けてきた。しかし、自分が見てきた頃と違い、コロナ禍でファンとの接点が少なくなった。繋がれるものは、公式インスタグラムやブログが主になった。

「その際にどういう写真を投稿したら、私らしさが伝わるかなと考えて、新体操ならではの“I字バランス”をよく披露していました。そのポーズに親しみやすい名前をつけられないかなと考えて、真っ直ぐに足が上がって1位に見えることや優勝に向けて駆け抜けるには縁起がいいなと思ったので、1位ポーズと名付けました」

 1位ポーズは菊池さんによると「耳と足がつくくらいまで足を上げないと真っ直ぐ、1の形には見えない」という。簡単にできることではない。柔軟をしたり、日々のメンテナンスが欠かせない。

「体型維持は、バランスの良い食事と適度な睡眠を取っています。朝活も好きで、試合がない日の朝に散歩、ジョギングをしているので、それも秘訣かなと思っています」

 今後もチームが1位で駆け抜けるために、自分にしかできないポーズで球場を盛り上げていく。

「試合前のパフォーマンスなどでも(1位ポーズを)組み込んでいるので、見ていただけたら嬉しいです。インスタグラムなどSNSでも発信していけたらと思います」

「今日の1位ポーズ、素敵ですね」が心に響く

 ファンからはインスタグラムのコメントで「1位ポーズで駆け抜けよう」「今日の1位ポーズ、素敵ですね」と書き込まれたことがあった。認識されているだけでもうれしい。直接、ファンと会話ができない分、愛のこもったメッセージは心に響く。

「SNSでお声をいただけると私の思いは届いているんだなと確認できるので、私自身も励みになりますし、私も皆さんに元気や希望などをお届けできていることがわかって、すごく嬉しいです」

 ファンと離れているからこそ、伝えたい思いがどんどん大きくなっていって、それをパフォーマンスに変えていく。(Full-Count編集部)