“親子ゲーム”の細川は7回に同点の左犠飛を放った

■ロッテ 1ー1 日本ハム(17日・ZOZOマリン)

 日本ハムは17日、ZOZOマリンで行われたロッテ戦で延長12回引き分けに終わった。相手先発の難敵・佐々木朗希投手に対して、新庄剛志監督が「5番・左翼」に抜擢したのが、高卒4年目の細川凌平内野手。前日16日の時点でスタメンを言い渡していたという22歳が、7回に貴重な同点犠飛を放った。

 細川の1日は長かった。1軍登録ながら午後1時半から鎌ケ谷スタジアムで行われたイースタン・リーグ、ヤクルト戦に「2番・左翼」で先発出場して3打席に立った。第3打席には右越え2ランを放ち、その後急いでZOZOマリンへ。いわゆる“親子ゲーム”だった。

「ファームで結果が出なくても5番でいくから、っていうことを伝えて送り出しました」と指揮官。これに細川も「言っていただいたことに対してうれしさもありました」と応えた。

 5番といえば、大事な場面で走者を還すことを求められることも多い打順だ。実際に4回2死三塁という先制機で第2打席を迎えたが、159キロの直球に詰まらされて二飛に終わった。

 新庄監督は「ここで打ってみろ、ここで期待に応えてみろ、と思いましたね」と話す。打席数こそ28とまだ少ないが、打率.292と勢いに乗る若武者をさらに高いレベルに引き上げようとしている。

 チームは佐々木の前に8回までわずか3安打に封じ込められて12三振を喫した。それでも負けなかった。指揮官は「悔しさの方が大きい」と何度も繰り返したが、確かな力が付いてきている。(町田利衣 / Rie Machida)