楽天ガールズのYURI、大谷翔平との対面を振り返る

 昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも注目を集めた台湾プロ野球(CPBL)のチアガールたちが、活動の幅を世界へ広げている。楽天モンキーズのチア「楽天ガールズ」は昨年、日本だけでなく香港や米国にも進出。チアとしての活動が8年目を迎えたメンバーのYURIは、様々な環境の変化を実感している。

 昨日のことのように思い出すのは、昨年5月の米国遠征。楽天ガールズは、エンゼルスタジアムでパフォーマンスを披露。当時エンゼルスに所属していた大谷翔平投手とも対面を果たし、今でも色褪せない大切な思い出を作った。

 当初の予定では大谷と記念撮影を行うことになっていたが、スケジュールが変更になり一度は中止に。メンバーたちは落胆を隠せずにいたが、再び予定が変更され、急きょ大谷が撮影に応じてくれることになった。

「大谷選手が突然、後ろから現れました。『これはオオタニですか?』と思いました。卵のようなつるつるな肌でした。あれは野球選手の肌ではありません。大谷選手と握手ができることになり、私たちは手にカラーボールを持っていましたが、全員それを投げ捨てました。とても親切に対応してくれて、本当に嬉しかったです」

 世界の二刀流との対面まで実現するチアたちの勢い。WBCなど国際大会でも話題となり、さらに人気を集める。野球界を盛り上げるための好循環にも思えるが、彼女たちに注がれる視線の多さは、そのまま重圧や忙しさに変わる。特に屈指の人気メンバーとなれば、忙しさは計り知れない。

 YURIは元同僚の姿に心を痛めている。昨年限りで楽天ガールズを退団し、ライバル球団の味全ドラゴンズのチア「ドラゴンガールズ」に移籍した“スターチア”の林襄(リン・シャン)について「とても痩せていて、悲しく思います」とポツリ。「人気があるので多忙だと思いますが、新しい応援ダンスも覚えなくてはいけない。大変だと思います。これから会う機会があると思うので、声をかけたいと思います」と思いやる。

“将来なりたい職業”でチアが人気上昇中「魅力伝えられている」

 台湾内外で熱を帯びるチア熱。ただ、それだけやりがいのある仕事であるのも事実だ。YURIの加入当初、チアの知名度は低かったが、今は他国でも知られる存在に。「日本で声をかけられたので『私は楽天ガールズです。イン台湾!』と答えると『あぁ、あの楽天ガールズですね』と言われました。日本でも知られていて、とてもうれしく思います」と目尻を下げる。

 今では楽天ガールズをきっかけに球場に足を運ぶファンが増え、チアとしての役割を果たせているのではないかと感じている。さらに、女の子の「将来なりたい職業」で、チアの人気も上昇中だといい「すごく嬉しいです。自分たちがチアの魅力を伝えられているからだと思います」と胸を張る。

 日本への愛も忘れない。YURIはウインタースポーツが得意で、毎冬スキーをするために北海道を訪れている。「仕事を頑張って、冬に1か月の休みを取りたいです。台湾は雪が降らないので、日本でスキーの腕を磨きたいです」。オフを日本で満喫するため、さらなる活躍を誓った。(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)