4月24日〜5月29日放送
21:00〜21:49
日本放送協会 NHKエンタープライズ

 痛烈にして痛快、極上のブラック・コメディである。物語は、当たり障りのない発言だけを駆使して高い好感度を保ってきたイケメンアナウンサー、神崎真(松坂桃李)が母校の名門国立大学の広報マンに転身するところから始まる。徹底して“意味のあることは言わずにやり過ごす姿勢”こそ、彼が大学理事会からの支持を得て広報担当に採用された理由だ。

 神崎は着任早々から、ノーベル賞の期待もかかるスター教授の論文データ改竄、大学イベントのゲスト講師に予定したジャーナリストのネット炎上など、大学が直面する問題処理に追われていく。そのなかで描かれる理事会の保身の詭弁、権力組織の持つ隠蔽体質、忖度、はぐらかし、真っ当な主張の無力感……等々は、言うまでもなく今の日本社会そのものである。

 渡辺あやの脚本はさすがの一言。「今流行りの権力者による言葉の拡大解釈や意味の読み替え」「あの人たちは自分のこと(中略)権力持ってるから強いと思ってる、強いから間違うわけないって思ってる」「あってはならないというのは願望であって、ありえないの理由にはならないでしょう」「その人たちを見殺しにするってことですよね、たかがイベントのために」といった鋭い台詞の数々が繰り出される。