党首討論の解説
コメンテーターの力量に光 

 6月9日、菅内閣発足後、初めての党首討論が行われた。与野党のトップが国民の前で、大局的な見地から議論を深める大事な場である。いささかの期待を抱いてテレビ中継に見入ったが、結果は失望の連続だった。理由ははっきりしている。菅義偉首相が質問に直接答えず一方的に自説を述べるだけで、言葉のキャッチボールにならなかったからである。この場は首相にとって、東京オリンピック・パラリンピック開催の意義は何か、国民の安全をどう確保するかなど、国民の疑問に答える絶好の機会でもあった。だがそのチャンスを自ら潰し、残念な45分間に終わってしまった。

 ところが驚いたことに、その党首討論をテレビニュースで見ると、それなりに面白いのだ。発言の際立っているところを拾いあげ編集するため、いかにも丁々発止やりあっている感じになる。編集でここまで面白く見せてしまっていいものか、複雑な思いを味わった。面白かったのにはもう一つ、「報道ステーション」(テレビ朝日)では後藤謙次、「NEWS23」(TBSテレビ)では星浩が、久々に顔を見せたことがある。その後藤によれば「10月から11月にかけて、希望する人すべてにワクチンの接種を終える」と首相が発言したのは、「解散、総選挙の時期を、多くの国民がワクチン接種を済ませる10月下旬にする」という意味なのだそうである。こうした裏読みができる人物が出演して、ニュース番組は面白くなる。そのことを改めて痛感した。