Game*Sparkレビュー:PC版『Stellar Blade』から始めるのも遅くない!徹底した最適化によってグラフィックと快適性をハイレベルに両立
Game*Spark6/16(月)19:00

Game*Sparkレビュー:PC版『Stellar Blade』から始めるのも遅くない!徹底した最適化によってグラフィックと快適性をハイレベルに両立
2024年4月にPS5向けにリリースされた、韓国のSHIFT UPが手掛けるスタイリッシュ美少女SFアクション『Stellar Blade』のPC版が遂に登場しました。徹底した最適化が行われ、PS5版からあらゆる要素が強化されています。
さらにPC版のリリースにあわせ、同デベロッパーの『勝利の女神:NIKKE』とコラボレーションしたDLCも配信されています。今回はそんなPC版『Stellar Blade』のレビューをお届け。なお、レビューにあたっては、ソニー・インタラクティブエンタテインメントからコードの提供を受けています。
王道なストーリー展開はイヴの“魅せ方”にこだわりを感じる
『Stellar Blade』の物語の舞台となるのは、荒廃した地上世界。人類は未知の敵対勢力「ネイティブ」によって宇宙のコロニーに押しやられており、主人公の「イヴ」ら空挺部隊は人類を救うべく、荒れ果てた地球に降り立ちます。
本作のストーリー展開はいわば“王道”なつくりで理解しやすく、序盤からその世界に没入できるようになっています。しかし裏を返せばそれは少々“ありきたり”で、プレイヤーの度肝を抜くような展開は控えめといった印象。物語の構造としては「起承転結」というより、「序破急」のイメージが近いように感じられます。
一方で、そんな本作のストーリーを特別なものに仕立て上げているのがグラフィックや演出面の強さです。特にカットシーンではイヴをはじめとしたキャラクターの動きが細かく描かれており、カメラアングルはイヴが魅力的に映えるよう計算されていると感じる場面も。そのほかリップシンクなど、細部までこだわりがみられます。
さらに、本作ではマルチエンディングが採用されており、物語の後半ではプレイヤーが重要な判断を迫られるような場面もあります。前述の演出と相まって、「他のエンディングも気になる」と思わせるようなつくりになっています。
フィールドの探索要素も充実していて、各地に残されたデータによる読み物コンテンツや収集要素があります。フィールドを探索することで本作の世界をより深く知れるうえに、イヴの強化やコスチュームの獲得も可能なので、探索するモチベーションが自然と湧くのも嬉しいポイントです。
PC版では徹底した最適化により、グラフィックと快適性を両立
次に、本作のPC版で強化された要素にも注目していきましょう。PC版ではグラフィックが大幅に強化され、高品質なビジュアルと快適なパフォーマンスを高いレベルで両立しています。「NVIDIA DLSS」や「AMD FSR」といった最新のアップスケーリング技術にも対応しており、詳細な設定が可能です。
4K解像度でのプレイはもちろんのことですが、フルHDの解像度であっても圧倒的なクオリティで、本作の世界やイヴの姿が儚くも美しく描かれています。
フレームレートは60fpsから上限が開放され、144や240、無制限といった項目が選択できるように。カットシーンだけでなく、多数のオブジェクトがある場所での戦闘でも高いフレームレートを維持でき、昨今のグラフィック重視なゲームにありがちな「最適化不足」を感じるような場面がなかったことは特筆に値するでしょう。
高いフレームレートによる快適なゲームプレイは、アクション面でも大きな恩恵があります。本作の戦闘では基本的に敵の攻撃はジャスト回避やパリィで対処していくことになるうえ、さまざまなゲージを使ったスキルや、あらゆるアクションから派生していくコンボなど、ハイテンポなものになっています。
そんななかで重要視されるのはレスポンス。ボス戦など瞬時の判断が連続して必要になる場面でも、ストレスをあまり感じず戦うことができます。
また、「フォトモード」でも本作の美しいグラフィックを堪能できます。カメラのアングルやポーズをはじめ、イヴの表情や顔の角度など細かな部分や、光のバランスなども調節できるため、こだわりの「一枚」を撮る楽しさも、グラフィックやコスチュームが優れた本作ならではの遊びです。
『NIKKE』コラボDLCはただコスチュームを追加するだけではない!
PC版のリリースにあわせて配信されたのが、本作と同じくSHIFT UPが手掛けるガンガールRPG『勝利の女神:NIKKE』とコラボしたDLC。本作では『ニーア オートマタ』に次ぐ、ふたつめのコラボレーションコンテンツとなります。
コラボDLCでは専用のストーリーラインが用意されており、UIやBGM、ミッションの依頼文など細部に至るまでが『NIKKE』仕様に仕上がっています。
ミッションで挑戦することになる射撃のミニゲームもしっかりと作り込まれており、遮蔽を駆使しながら敵を殲滅していく様子は『NIKKE』さながら。敵の対処法やバリエーションもさまざまあり、単調になりにくくトライアンドエラーを楽しめます。
また、ミニゲーム中に使用できる専用のスキルやその演出にも注目。アダムとリリーがテトラポッドから援護射撃の弾幕を展開してくれるものや、HPを回復しながら広範囲の斬撃を繰り出すもの、一定時間弾薬を強化するものなど、戦況に応じた使い分けが可能です。
特に強力と感じたのは弾薬の強化で、ボスが登場する最終フェーズでは非常に効果的でした。くわえて、イヴの太腿が見えるようなカットイン演出の素晴らしいアングルも、強いこだわりが感じられます。
フィールドには5つのミッションが用意されており、それぞれを攻略とラピやアニス、ドロシーなど『NIKKE』のキャラクターのコスチュームや髪型を獲得できます。さらに、5つ全てをクリアすることで、「ボスチャレンジ」モードで紅蓮との戦闘がアンロックされます。
紅蓮は専用のステージや演出が用意されているこだわりっぷりで、連続して繰り出される剣戟だけでなく、遠距離からの攻撃も兼ね備えており、回避をするのが精一杯なほど。比較的優しめの難易度である「ストーリーモード」でも、かなりの手応えに仕上がっています。
一方で、コンテンツのアクセス性については少し難があります。コラボDLCのミッションはストーリーの序盤で訪れる「荒野」と、中盤に訪れる「大砂漠」に存在していますが、筆者がプレイ開始から荒野に到達した時点ではおよそ3時間、大砂漠までは10時間程度かかっています。
そのため、「コラボDLCが来たから始めてみよう!」と思っていても、すぐにコンテンツを楽しめないもどかしさが少し感じられます。
PC版から始めるユーザーにとって最適な作品
本作はPS5版をプレイしたことがあるユーザーにとっても、そのグラフィックや快適性の進化を感じられる作品となっていますが、「PC版が出たから触ってみる」というユーザーにこそ触れてほしい作品といえます。かくいう筆者もPS5版はプレイしたことがなく、今回が初プレイでした。
ストーリーは理解しやすく、カットシーンではキャラクターの描写が丁寧です。さらにグラフィックのクオリティが高いので、カットシーンだけでなくスタイリッシュなスキルを駆使した戦闘や、フォトモードなどを楽しむことができます。
アクションや戦闘は“理不尽さ”を感じることがない丁度よい難易度設定で、アクション初心者向けには敵の攻撃力や回避までの猶予が調整された「ストーリーモード」も用意されています。「ストーリーモード」も簡単になりすぎるというわけではなく、しっかりと達成感を感じられるようなつくりになっているのは嬉しいポイントです。
総じて、あらゆるユーザーのニーズに答えられる広い受け皿を持った作品だといえます。快適性が向上した爽快感のあるアクションを楽しんだり、進化したグラフィックでイヴを着せ替えたり、フォトモードで撮影をしたり……と、どんなプレイスタイルでも楽しめるでしょう。
総評
PC版『Stellar Blade』は単なる「PS5版の移植」ではなく、ハードの性能を越えた「リマスター」に近いような完成度を誇っています。何度も触れているようにグラフィックが素晴らしく、それでいてアクションやゲームプレイの快適性が両立している点は本作の大きな強みです。
作り込まれているのはキャラクターだけでなく、荒廃した世界のさまざまなロケーションや季節ごとのイベント、DLCによる拡張コンテンツによる探索要素も豊富で、フィールドを探索することがコンテンツへのモチベーションに繋がっているのも良いと感じました。
一方の気になった点はストーリーで、演出やカットシーンは良いものの、話の展開としては“ありきたり”と感じてしまうようなところも。また、画面にミニマップがないことや、水中での操作性といった細かな部分は、PC版でのブラッシュアップを期待したいところでした。
全体としてはクオリティが高いバランスで仕上がっており、PS5版をプレイしたことのあるユーザー、そしてPC版から本作を触れるユーザーのどちらも、間違いなく楽しめる作品であるといえます。
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