◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 2日目(29日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)

午前7時30分にスタート予定だった勝俣陵は、4時前に起床して5時半には会場入りしていたという。しかし、降雨によるコースコンディション不良でティオフ時間が遅れること10回。「自分でも、きょう(ラウンドが)あるのか分からなかった」と言いながら、情報が更新されるたびウォーミングアップだけでも3、4回は繰り返したそうだ。

ツアーのフィットネスカー「プレジャー」でウトウトしてしまった時間も程よい仮眠になったとか。スタートは到着から約8時間後。“律儀”な準備は、連日のボギーなし「67」というスコアになって報われた。

決めた4バーディ以上に量産したチャンスはオフの成果。片山晋呉の宮崎合宿にも参加し、三觜喜一(みつはし・よしかず)コーチとも話し合って球筋をチェンジした。プロになって以降、一貫して打ってきたフックに近いドローから、ストレート気味のフェードへ。「自分の中では真逆の動き」を染み込ませるために練習を重ねてきた。

これまで緊張した場面ほど飛びすぎるミスが目立っていたが、球筋を変えたことでスピン量も増え、球が上がりすぎずにしっかりとピンを狙っていけるようになった。左のミスを気にしなくていい点もありがたい。「賭けでもあったんですけど、『もう、このままじゃ無理だ』っていう風に自分でも思ったんで」。ここまで36ホールでノーボギーのプレーに手応えがにじむ。

暫定首位とは3打差につけ、初優勝へ好位置で決勝ラウンドを迎える。「意識せず、この冬にやってきたことをやり切れれば、スコアにはつながると思う」。力強くうなずいた。(三重県桑名市/亀山泰宏)