◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(16日)◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609yd(パー71)

スコッティ・シェフラーがメジャーで戦線復帰した。メレディス夫人が8日に第一子の長男、ベネットちゃんを出産。同じ週のPGAツアー「ウェルズファーゴ選手権」を欠場した世界ランキング1位は「67」で回り、トップと5打差の4アンダーの12位で滑り出した。

父として迎えた最初のホール。残り167ydを9Iで放った出だし1番の第2打は、ピン手前20㎝に着弾し、カップに吸い込まれた。「少し大きいかなと思ったけれど、入ったのが見えて気持ち良かった」。イーグル発進に場内はいきなり大歓声。公私の両方を祝うような拍手が長らく鳴りやまなかった。

夫人の出産に立ち会い、「心からメレディスを誇りに思った」と27歳の心は震えた。職場復帰に際しても「とてつもなく寂しかった。息子に『離れたくない、本当に行きたくないけれど、行かなきゃいけないんだ…』と話してきた」。後ろ髪を引かれる思いで、家族の元を離れてきた。

2年ぶりにグリーンジャケットに袖を通した4月の「マスターズ」を含め、直近5試合で4勝(1試合は2位)。男子ゴルフ界を席巻しているにもかかわらず、シェフラーは新しい家族を迎えるため、春先からメジャー大会であっても、出場を辞する可能性を示唆していた。

そして今週はキャディのテッド・スコット氏が家族優先の変則スケジュールを組んでいる。大会3日目の18日(土)に娘の高校の卒業式に出席するため、あす2日目のラウンド後に自宅のあるルイジアナ州に向かう。ムービングデーは友人のブラッド・ペイン氏にバッグを預け、最終ラウンドで再び担ぐつもりだ。

シェフラーは「年の初めに、彼はその日は代役が必要だと話していた」と明かす。「自分たちは関係が始まった時から、家族が最優先だった。僕にとっても、キャディにとっても、ごく当たり前のこと」。ゴルフよりも、仕事よりも大切なことが2人にはある。