◇国内男子◇関西オープン 2日目(17日)◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀)◇6869yd(パー70)

穏やかな笑みをたたえて平田憲聖が一日を振り返った。「風が昨日ほどじゃなかったですし、楽に回れました」。昨年の本大会第3ラウンドにマークした「63」(パー71)を更新するツアー自己ベスト「61」を出した。イーブンパー31位から午前組を回り、通算9アンダー首位に突き抜けても、興奮した様子はカケラもない。

前半11番(パー5)から2m以内のチャンスを3連続で決めた。ロングパットを入れたのは15番の7m、6番の10mだけで、右ドッグレッグした314ydの16番パー4は3Wで1オン2パット。9バーディのほとんどをショットで奪った。

同学年の中島啓太、蝉川泰果に負けず、ツアー2勝の実績を持つ23歳に力を与えるのは愛犬、2匹のミニチュアシュナウザーだ。2020年末に飼って、自分で名前をつけたオスの「ププ」とメスの「ビビ」だ。

「ププは生後7カ月で“シュウちゃん”と呼ばれていて、犬は呼ばれ慣れた音がいいので(母音で)“ウ”が入るププに」というこだわりぶり。ビビは2文字の流れで、そうなった。

13日の月曜日、3週間ぶりに大阪の自宅に帰った。さぞ喜んでくれると期待したが「1日ぶりぐらいの感じでした」という塩対応を残念がるが、2匹を連れての散歩は何より大切な時間らしい。

国内開幕から全4戦で予選通過しているものの、最上位は2週前「中日クラウンズ」の12位。悪くはないが、良くもない。ただ「クラウンズでいい感じがありました。ああいう位置でプレーしないと、わからない緊張感があるので」。首位と4打差8位で入った最終日に“優勝争い”を味わったことは大きい。

昨年、ツアー初優勝を飾った「ミズノオープン」は3度の予選落ちを経た開幕5戦目だった。今大会も5戦目。「昨年の今頃より、今の方がいいとは思います。5試合目という時期もいいかもしれません」。スマホの待ち受けに映るププとビビに癒やされながら、平田が整ってきた。(滋賀県東近江市/加藤裕一)