◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(17日)◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609yd(パー71)

スタート前の交通違反により、地元警察に一時拘束されたスコッティ・シェフラーが、第2ラウンド終了後に公式会見に出席した。アクシデントを振り返り「なにがなんだか分からない状況で、大きな誤解があった。頭がまだグルグルと回っている感じがする」と戸惑いの表情を見せた。

この日の午前5時過ぎ、コース近隣で大会に出入りする業者の男性がシャトルバスにはねられる死亡事故が発生した。会場周辺では大渋滞が起こり、スタートに間に合わせるべく運転していたシェフラーは、午前6時頃に場外の道路で警察官の誘導を振り切ったため停止を促され、拘束された。

会見では違反の詳細に関する説明を避けた一方で、手錠をかけられ、パトカーの後部座席に座って警察署に向かう一連の動きに「混乱した」と当時の心境を語った。留置場のテレビで事件を報じる自身の映像も眺め、「すごくショックで、体がずっと、1時間くらい震えていた」という。

指紋の採取などに応じ、警察官への抵抗(第2級暴行)、誘導時の信号無視、無謀運転などの罪を認めて釈放の手続きをとった。聴取した警察官の親切な振る舞いに感謝しながら、「逮捕されて一番に気がかりだったのが、ここでプレーできるのかどうかだった」。留置場内ではストレッチをしながらプレーに備えていた。

警察署を出ると、ティオフを約1時間後に控えた午前9時過ぎにコースに到着。練習場で慌ただしく球を打ってスタートした。開始10番(パー5)、大雨にもかかわらず大勢のギャラリーから大声援を浴びていきなりバーディ。ハプニングがなかったかのような、6バーディ、1ボギー「66」のプレーを披露しながら、「普段通りにプレーするまでに数ホールはかかった。僕は入念に準備するタイプで、きょうはもちろんいつものようなルーティンをこなせなかった」と内心は揺れていた。

「ここできょうプレーすることは間違いなく大変な挑戦だったが、自分の感情と呼吸をコントロールしようと必死だった。落ち着いて、とにかくゴルフをしようと。雑念が入るのは当然だったが、ファンが応援してくれたことが素直にうれしかった」と声援に感謝。通算9アンダーで上位につけ、「今朝のことから気持ちを落ち着かせて、長い週末に備えたい」と4月の「マスターズ」に続くメジャー連勝に向けて意気込んだ。