愛知県の名古屋芸術大スペースデザインコースと名城大建築学科の学生が、タイルの新たな魅力を探った取り組みの成果が、岐阜県多治見市笠原町のモザイクタイルミュージアムで展示されている。タイルをたたいて鳴らす楽器を制作したり、工場内の凸凹をタイルのデザインに取り入れたりした試みを、タイルや模型、パネルなどを並べて紹介している。6月30日まで。

 若い感性でタイルの可能性を自由に描いてもらおうと、昨年度本格スタートしたタイル産業関係者と教育研究機関の連携事業の一環。事業は学校を変えながら5年間続け、ミュージアム2階の産業振興エリアで成果の報告展を行う。

 名古屋芸術大は音に着目し、既存のタイルを支柱につるして一つずつ順番にたたいていくことで1曲が演奏できる楽器作りを発案した。「山の音楽家」のメロディーになる54枚を選んでミュージアムの庭に並べ、イベント時に体験してもらったことを伝えている。名城大は、タイル工場にある階段などさまざまな構築物に粘土を押し当てて凸凹を写し取り、緑で着色。抽出した複数の柄を組み合わせてタイルデザインに生かしたことを報告している。

 同エリアコンシェルジュの平山さつきさんは「学生の独創的な発想や、産地とのコラボレーションを見てほしい。タイルに触れ、親しんだ学生が、将来仕事でタイルの利用を提案してくれたら」と願った。同展は観覧無料。