岐阜県大垣市の民家で昨年5月に起きた強盗致傷事件で、実行役を担ったとして、住居侵入と強盗致傷の罪に問われた、横浜市中区と住所不定の特定少年の男2人=いずれも19歳=の裁判員裁判の判決公判が17日、岐阜地裁で開かれ、村瀬賢裕裁判長は「被害結果は重大。安易に犯罪の誘いに乗り悪質」として、それぞれ求刑通り懲役7年の判決を言い渡した。

 村瀬裁判長は判決理由で「指示役の知人に空き巣と誘われ、12億円を狙った強盗と知った後も思いとどまらず、指示がないのに結束バンドなどを準備した」と指摘。横浜市の被告について「直接けがにつながった可能性の高い強度の暴行を加え、現場で指示を与えるなど最も積極的に関わった」とし、もう1人の被告についても「暴行を加え、現金や金庫の持ち出しを行い、重要な役割を果たした」と認定した。

 「正直に話し、反省している」などと情状酌量を求めた弁護側の主張には「現金を持ち逃げして襲撃され、逃れるために建造物に侵入して逮捕されており、酌むにも限界がある」と退けた。閉廷後、各弁護人は控訴について「本人と協議して対応を考える」と話した。

 判決によると、2人は仲間と共謀し、昨年5月2日午後2時30分〜同50分ごろの間、大垣市島里の男性会社役員(76)方に押し入り、「殺すぞ」などと脅し、結束バンドで両手親指を縛った上で顔や脇腹などを殴ったり蹴ったりして重傷を負わせ、現金や商品券、現金約2千万円が入った金庫を奪った。