高さ1600mの超高層ビルは一体どんなビルになるのか解説するムービー

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「近代建築の三大巨匠」の1人に数えられる建築家フランク・ロイド・ライトは、日本を代表する高級ホテルである帝国ホテルの旧本館「ライト館」を設計したことでも知られています。そんなライトが夢に見つつも実現しなかった、高さ1600mの超高層ビル「マイル=ハイ・タワー」が技術の進歩により現実のものになる可能性がでてきています。

Will there ever be a mile-high skyscraper? - Stefan Al - YouTube

1956年に建築家のフランク・ロイド・ライトは1マイル(約1.6km)もの高さがある超高層ビルである「マイル=ハイ・タワー(マイル・ハイ・イリノイ)」の建築を計画しました。高さが約300mのエッフェル塔の5倍もの高さを誇るこの超高層ビルは、世界最高の建築物になるはずでした。

当時、この計画は「エレベーターで移動するのに何時間もかかるばかりか、自重で倒壊するのがオチだ」という多くの批判を集めました。大方の予想どおり、「マイル=ハイ・タワー」は実現には至りませんでした。

ライトが「マイル=ハイ・タワー」を計画してから70年以上が経過した2019年時点で、サウジアラビアの「ジッダ・タワー」のように高さが1000mもある超高層ビルが現実のものになろうとしています。そこで、「マイル=ハイ・タワー」を実際に建てるにあたって乗り越えなければならない課題を、「自重」「風量」「内部の移動方法」の3つに分けて考えていくことにします。

最初の問題は「自重」です。どんな建築物であれ、下の階が上の階の重さを支えられることが大前提です。

この原則のために、長らく建築物の形状は頂点に近いほど軽く、小さくなるピラミッド状に限られてきました。しかし、ピラミッドは現在の都市には建てられません。

ありがたいことに、今では石材の代わりに耐水性ポリマーと鋼繊維で強化されたコンクリートを使えるので、ピラミッド状でなくてもビルは自重を支えることができます。

2019年時点で世界最高のコンクリート製建築物であるドバイのブルジュ・ハリファには、自重として1平方メートルあたり約8000トンの圧力がかかっています。8000トンといえば、アフリカ象1200頭分に相当します。

また、建物が自重を支えられるだけでなく、地面が建物を支えられる必要があります。さもなければ、ピサの斜塔のように傾いてやがて倒れてしまうことになります。

総重量約50万トンもの自重を支えるため、ブルジュ・ハリファの地下には50m以上もの長さの鋼鉄とコンクリートでできた杭が192本も埋設されています。この杭のおかげで、ブルジュ・ハリファは柔らかい土砂の上でもしっかりと自立することができるのです。

2つ目の問題は「風力」です。超高層ビルが自立するためには、自重を支えるだけでなく横風にも耐えなくてはなりません。

風のはたらきにより、超高層ビルには1平方メートルあたり最大8kgの力がかかることがあります。これはボーリングの球に匹敵する運動エネルギーです。

例えば、中国の上海タワーは、デザインに空力設計を取り入れることで、風の影響を最大4分の1まで減少させています。

韓国のソウルにある「ロッテワールドタワー」のように、風の力を分散させるフレーム構造を用いる場合もあります。

それでも、強風にあおられればビルが揺れることは避けられません。このため多くの高層ビルには「同調質量ダンパー」と呼ばれるカウンターウエイトが設置されています。

例として、台湾にある「台北101」の87階には同調質量ダンパーとして金属の巨大な球体が吊り下げられています。

風が建物を揺らすと、同調質量ダンパーが振り子のように動いて建物の運動エネルギーを吸収します。そして、ボールと建物の間にある油圧シリンダーが運動エネルギーを熱として放出するので、ビルの安定性が保たれるのです。

最後の問題は建物の中をどうやって移動するかです。ライトの時代には、エレベーターは速くても時速22kmほどしかありませんでした。

今では技術の進歩により格段に速くなっています。将来的には、摩擦が発生しない磁気レールにより時速70kmで動くエレベーターが実現するとも考えられています。

また、エレベーターを最適な配置になるように管理する運用アルゴリズムにより、乗客の待ち時間を劇的に短縮することができます。

1956年にライトが「マイル=ハイ・タワー」を計画してから今日まで、建築技術は長い歴史を積み重ねてきました。かつては砂上の楼閣だった摩天楼も現実のものとなる日がきっと来るはずです。


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