子どもがスポーツで成功するための5つのヒント

子どもがスポーツで成功するための5つのヒント


子どもが純粋にスポーツを楽しんだり、スポーツで成功するためには、子どもを支える両親やスポーツを教えるクラブや指導者がどのような教育を施すかも重要です。そこで、子どもがスポーツで成功するために両親・子ども自身・スポーツクラブが覚えておくべき5つのポイントを、The Conversationがまとめています。

Five tips to help your kid succeed in sport – or maybe just enjoy it
https://theconversation.com/five-tips-to-help-your-kid-succeed-in-sport-or-maybe-just-enjoy-it-110785

◆1:早いスタートがベストの結果につながるわけではない


多くのスポーツクラブが、5歳の子ども向けに「talent identification days(TID:才能特定日)」という名のセレクションをかけており、この催しを宣伝することはとても一般的なものとなりつつあります。

論理的に考えると、子どもが若いうちからスポーツを始めることは、そのスポーツで成功するための大きなアドバンテージとなります。しかし、実際にはスポーツの才能は「1万時間の法則」に従って練習時間を蓄積すれば花開くというものではありません。

実際、2016年に公開された調査結果によると、早くにスポーツを開始することは、ベストの結果につながるわけではなく、早くにそのスポーツから離れるという結果を生み出しがちであることが判明しています。調査によると、若いアスリート(平均年齢15歳)の約75%が2年以内に才能を発掘されており、スポーツにおける最も高い競技レベルに到達した人物はかなり遅い時期(約19歳)に才能を見いだされるケースが多いとのこと。

つまり、5歳の子どもが受けるTIDが、スポーツで成功するための必須条件というわけではないということです。

◆2:スポーツは平等ではない


ラグビーなど一部のスポーツでは、スポーツクラブが「体がより成熟した子ども」を募集することがあります。しかし、若い子どもたちの成長速度は人それぞれであるため、青少年期における身体的利点が大人になるまで持続するわけではなく、幼少期に小さかった子どもが青年期に大きくなるということは往々にしてあり、実際の調査データでも示されています。

スポーツクラブがより成熟した体を持つ子どもを採用しがちであるため、より早生まれの子どもが得をするという傾向があります。スポーツクラブでは子どもを年齢ごとのカテゴリに当てはめて指導するケースが多いため、遅生まれの子どもは早生まれの子どもと「約1年分の身体的成長期間」というハンデを背負って競わなければならなくなるというわけです。実際、オーストラリアン・フットボール・リーグ(AFL)はU12(12歳以下)のアカデミーで、早生まれの子どもに劇的に多くのチャンスを与えていることが調査により明らかになっています。

それではどのように若い才能にチャンスを与えれば良いのかというと、The Conversationは「スポーツクラブは数学的に子どもの身体的成熟度を推定するための簡単な測定値を利用することができる」と記しています。これは生年月日と共に、年齢、発達年齢、能力に基づいて子どものアスリート的能力を評価するための指標だそうです。

◆3:ダビデはゴリアテを破った


子どもの成熟期を推定することはできますが、「スポーツでの成功」を正確に予測することはほとんど不可能です。聖書で小さなダビデが巨人ゴリアテに勝利するように、「小さいこと」が「スポーツでの成功」をゼロにするわけではありません。スポーツでの成功は多次元的なものであるため、サイズが小さくても優れたスキルや判断力、強い自信でそれを補うことができます。

そのため、親やスポーツクラブは「体力やスキルといった明確な特徴だけに焦点を合わせるのではなく、子どものアスリートとしての全体的な発達を重視すべき」とThe Conversationは記しています。

特に見過ごされがちな要素が2つ存在しており、1つは「長期的な成功」に大きく貢献する心理社会的特徴で、これには親のサポートやモチベーションなどが含まれます。そしてもうひとつの見過ごされがちな要素が、スポーツ特有のものではない運動能力で、これには「幅広い運動技能を実行する能力」などが当てはまるそうです。

スポーツにおける才能は多次元的なものであり、そもそもスポーツが平等なものでないということを念頭に置いておくことで、親や指導者は子どもの将来の可能性に基づいた判断を下せるようになるとのこと。

◆4:遊ばせること


あらゆるスポーツでパフォーマンスの向上に欠かせないのが「練習」ですが、その練習にも様々な形があります。「1万時間の法則」は「意図的な練習」という概念に基づいたもので、これに則った練習を行うと、高度に構造化されたコーチ主導のトレーニングを行うこととなります。

多くの専門家たちはこのような練習を子どもたちに課しますが、いくつかの研究では「あまり構造化されていない、遊びに重点を置いた練習」も、意図的な練習と同等に重要であることが示されています。

「遊び」を勧めている段階では、子どもに複数のスポーツを試させることもオススメとのこと。別の研究によると、幼少期に複数のスポーツを体験し、15歳前後に単一のスポーツに専門化した場合、専門化したスポーツでより大きな成功をおさめ、より長いキャリアを築き、より低い負傷率を出す傾向になることが明らかになっています。

◆5:勝利だけがすべてではない


ユースチームなどで展開されるスポーツプログラムは、「最高の選手を少数作りだして勝つこと」ではなく「できる限り多くの優秀な選手を育成すること」であるべきです。しかし、実際の世界ではユースチームのコーチや選手たちが大会などで優勝すれば大きな称賛を集めてしまいます。それでは、子どもがスポーツを通して誰かから褒められたり表彰されたりするのはどれくらいの頻度で起きるものなのでしょうか。

あるひとつのスポーツの大会に多くの選手が参加することは、そのスポーツにおいて健全なエコシステムが形成されているという明確な証拠となります。多くの選手が参加する大会では、同時に2つの目標も達成することが可能です。1つは「大会に参加したことがユースチームへのリクルートに発展したり、選手そのものの成長につながる」というケース。もうひとつは、「スポーツとの高い親和性を持った青年アスリートを作ることにつながり、成人期あるいは老年期に至るまでスポーツを好む人を作り出すことが可能になる」というものです。

子どもがスポーツの道を志そうとしている場合は、これら5つのポイントを考慮し、子どもが楽しんでスポーツに取り組み、そして成功できるように親が正しく導いてあげることが大切になります。

Photo by Vanessa Bumbeers


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