Photo: Dua Rashid / Gizmodo US

今月開催されたApple(アップル)の新型iPad発表イベント。iPad ProとiPad Air、周辺アクセサリも発表されましたが、最もスポットライトを集めたのはやはりiPad Pro。M4という最新チップにOLEDディスプレイなので、それもそのはず。

一方、その影に入ってしまったのが新型iPad Air。Air派で新モデルを楽しみにしていた人からは、ちょっと納得いかない結果になってしまいました。

スペック的には微妙な気もするけど、実際使ってみたらまた違う感想があるのかも…。そう思って購入を迷っている人、残念ながらそうでもないみたいで、やっぱり大満足とは言えないのが今回の新型…。米Gizmodo編集部がフルレビューしました。

13インチという新サイズ。大きくなって、初めてのiPad ProサイズのiPad Air。iPadシリーズの売り上げのおよそ半分を13インチのiPad Proが占めているそうで、そこからヒントを得たのが13インチのAir。新型として11インチと13インチがありますが、今回レビューしたのはもちろん13インチ。

価格は、11インチが9万8800円から、13インチが12万8800円から(どちらもWiFiモデル)。

ディスプレイとデザイン

Photo: Dua Rashid / Gizmodo US

今回、新型の恩恵を受けなかったのがディスプレイ。前モデルと同じLEDのLiquid Retinaディスプレイ。リフレシュレーとは60Hzで、画質は2,732×2,048。明るさ最大600nit(11インチは500nit)。

最近リリースされたNetflixオリジナルの『アシュレイ・マディソン: セックスと嘘とスキャンダル』を見ましたが、昼間でも画面の明るさには不満なし。(ドキュメンタリーの内容とは正反対に)天気のいい日に大きな窓のある日当たりのいい部屋で見ましたが、特に問題なし。ただ、やはり日光の反射で画面グレアはあるので、例えばこの夏、ビーチの読書で使う予定だと言われたら、ちょい見にくいこともあるかと。

ディスプレイの色やコントラストは特筆することなし。奥行きやクリアさに感動なんてことはありませんでした。が、それはたぶんOLEDディスプレイのiPad Proを見ちゃったからかも。とはいえ、iPad Airの画面が悪いということではなく、日常使いには問題なし。

今回のiPad Airの一番の謎、というか悲しいポイントは、名前負けしてしまっていること。だって、同じ13インチならiPad Proのほうが軽いし薄いんだもの。Proの厚さは5.1mm、Airは6.1mm。たかが1mm、されど1mm。並べるとその差は明らかです。重さもProより36gを重いとなれば、一体どのへんでAirだって言ってんの?って気持ちになります。

Photo: Dua Rashid / Gizmodo US

Face IDに慣れた自分としては、Touch IDしかないのはツラかった。毎回電源ボタンに触るのもストレスだし、手の油で汚れるのもストレス。ほんとFace ID搭載してほしかったな…。

あとは、わかりやすい変更点としてフロントカメラの位置が変わりましたね。後述します。

パフォーマンスとバッテリー

M1からM2チップになりましたけど、このアプデがほんと必要最低限レベルなんです。いや、また比べちゃうのは酷なんですけど、Proの方はM4チップ搭載されてますからねぇ。差がすごい。ニューラルエンジン系機能もレイトレーシングも未対応、それがM2の限界。

スペックの数字だけみると8コアCPU/10コアGPU/16コアNeural Engineで、Proと少ししか差を感じませんが、そこはやはりチップの差の大きさよ。もちろん、YouTubeのストリーミングや日常作業では特に問題はないのですけどね。

GeekbenchのCPUテストでは、M1チップ搭載のAirのスコアが7252点。今回のM2搭載が9993点。スコアアップはしている。性能は間違いなくアップしているけど、買い替えをオススメするほどのアップではないというのが正直な感想です。今使っているM1 Airに不具合がないのなら、買い変えたいと思うほどの魅力はないと思います。カメラも同じだしね。

Photo: Dua Rashid / Gizmodo US

カメラはM1 Airと同じくリアが12MP広角、フロントが12MP超広角。同じ。ただ、決定的な変更点があって、それはカメラの位置。縦持ちした時の上から、横持ちした時の上の位置に移動しています。

FaceTimeなどで、iPadを横持ちしている時間のほうが圧倒的に長い派の私としては、これはとても好感触。位置はいいけど、カメラスペックにアプデがなかったのは残念。

両サイドにあるスピーカーは音量十分。部屋でNetflix見るくらいなら、イヤホンなしでよかった。イヤホンジャックがある頃はよくヘッドホンつけて見てましたが、最近はイヤホンのBluetooth接続のその一手間が面倒で、スピーカーで事足りるならそのまま見ちゃう。

Apple公式は、WiFiのみで10時間、セルラーで9時間のバッテリー持ちを謳っています。が、私の日常ではWi-Fiだけでだいたい8時間ちょいというのが1週間使ってみた平均。NetfixやYouTube見たり、Instagramしたり、メモとったりと、ライトよりな一般的な使い方かと思います。

総評!

正直、端末本体よりも周辺機器であるApple Pencil Proのほうがワクワクするレベル。買い替えをおすすめするほどの魅力は、残念ながら今回のM2チップ搭載iPad Airにはなし。

M1チップ搭載のiPad Air(第5世代)を持っていて、買い替えを検討しているという人は、M4チップ搭載のiPad Proで悩むべきだと思います。Proまではいらないなというならば、いっそ次のモデルまで待ちの姿勢もあり。一方で、Aチップ時代のiPadユーザーなら買い替えあり。

また、クリエイティブ系タスクなどがっつり使いたい人は、iPad Pro一択です。

今回は、一緒に発表されたM4チップ搭載iPad Proがあまりにアップグレードされていたことで、Airはさらにイマイチな印象に。名前負けしてるのがなによりツライのよ…。

いいところ:M2チップへのアップグレード。フロントカメラが横持ち状態の上にある。13インチデザイン。

残念なところ:ディスプレイがLiquid Retinaのまま。Face IDなし。同じ13インチの新型iPad Proよりも厚くて重い…。

Apple 2024 13 インチiPad Air (M2): Liquid Retina ディスプレイ、256GB、横向きの 12MP フロントカメラ/12MP バックカメラ、Wi-Fi 6E、Touch ID、一日中使えるバッテリー - スペースグレイ 141,875円 Amazonで見るPR !function(t,e){if(!t.getElementById(e)){var n=t.createElement("script");n.id=e,n.src="https://araklet.mediagene.co.jp/resource/araklet.js",t.head.appendChild(n)}}(document,"loadAraklet") 新型iPad Proは史上最高峰だけど「何でもできる」わけではない 5月7日のイベントで発表された新型iPad Pro、米Gizmodoによる長文レビューをお届けします。 https://www.gizmodo.jp/2024/05/ipad-pro-m4-review-peformance-battery-life.html