リフレッシュレートだけ求めるなら大満足。課題はマウスパッド、サウンド、冷却ファン Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

ハイエンドのHelios Neo 16が1,700ドル切ったのはうれしいのだけど。

Acer(エイサー)のゲーミングノートPCは、排熱とサウンドがアキレス腱。ほかもすべて、よく見積もって平均点レベルです。

「フレームレートが高ければいい」という人には◎ですし、持っているとゲーマーっぽく見えはしますが、プレイ中はゲーマー感が味わえないのが惜しいと感じました。

Acer Predator Helios Neo 16 2024

◾️これは何?

バジェットゲーミングノートPC

◾️価格

1,450ドル〜(レビュー機は1,700ドルの構成)

日本国内価格は20万7746円〜

◾️好きなところ

・安価なのに、処理性能がかなりいい

・頑丈

・ポートが豊富

◾️好きじゃないところ

・熱風が手にかかる

・音質

価格を優先すれば中身が犠牲になるし、中身を優先すれば価格が高くなる。そんなゲーミングノート業界にあって、AcerのPredator Helios Neo 16は2,000ドルを切るリーズナブルな価格帯なのに、ハイスペックが手に入ります。

かなりうまくバランスを取っているように見えたんですが、いざ使ってみたら妥協した部分が気になってしまって。せっかくのお手ごろマシンの魅力も半減でした。

価格帯は昨年モデルと同じ1,200〜1,700ドル弱。全部で9モデル用意されていて、うち4つは第14世代Intel CPUですし(一番高いもので1,450ドル)、最上位モデルはNvidia GeForce RTX 4070とIntel Core i7-14700HX搭載で、すぐ熱くなるのが難点です。「バランス」モードでも冷却ファンがフル回転でした。

バッテリーも減りが早くて、最小限の負荷に抑えても、何時間か使うと充電が必要です。

Helios Neo 16にもたくさんいいところはあるんですが、1,500ドル以上払う価値あるよ!と言い切れる「特別な何か」を、結局見つけることはできませんでした。

冷却ファンがガンガン回る

Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

スペックは低めのを選んだ方が、一番高いパーツ構成でガチガチ固めるよりいいと思います。あまり高性能すぎると排熱がネックなんですよね。特にファンがヘンなところに付いていて、ノイズも出るので。

使用中は横の排気口からも背面ファンと同じくらい熱風が出てきて、マウスを直撃でした。外の温度を計ってみたら、排気口すぐ横の筐体上で華氏145度(摂氏62.8℃)。そばのデスクもかなり熱かったです。ゲームの妨げになるほどではありませんが、こりゃ手がかじかむ寒冷地の人もポカポカだな〜と想像してみたり。

キーボード本体の温度は中央で36.7℃程度に抑えられています。パームレストの指や手が熱くなることは一度もありません。ただ、内部はすぐ熱くなってしまうので、自分はゲーム中もAcerのユーティリティソフト「PredatorSense」で、(処理速度を落としつつ)ファン回転速度を抑えて使っていました。CPUの温度は92℃、GPUはタイトルによっては91℃まで上がっちゃうのです。さすがにそこまで高温になると、処理性能にも影響が出ますからね。手動でファン速度を落としても、廊下を通りかかった人が心配そうに見てました。

性能優先モードでは、もっと半端なくファンが回ります。これだけガンガン回せば内部の温度は下がるのだけど、机の上が熱くなるのがトレードオフ。 それやこれや考えると、もしかしてハイエンドのスペックに耐えうる製品ではないかも…と思ってしまいました。

ビルドはしっかりしています。サーマルシェルフが突き出ているので、バックパックのラップトップ用ポケットからははみ出ちゃうけど、それでも頑丈な感じです。厚みもあって、重さも比較的ある方ですので、面積あたりの処理性能を最大化するコンパクトモデルではありません。

新デザインでは、これだけのディスプレイとともにHDMI専用ポート1つ、Thunderbolt 4 USB-Cポート2つ、 イーサネット、microSDカード用スロットまで搭載。メモリーとストレージは必要に応じてアップグレード可能です。

先日レビューした3,220ドルのLenovo Legion Pro 7i 16 は、テンキーまで付いてる万能マシンでしたが、今回のPredator Helios Neo 16もテンキーは付いてます。同じサイズなのにこっちのデザインの方が目詰まりに感じるのは、Copilotキーが入って、右シフトキーが小さくなってるせいかな。キー自体は1個1個よくできています。確かなフィードバックを求めるゲーマーにはややソフトすぎるかもですが。

残念なのはタッチパッドで、パームリジェクションが最悪です。思わずマウスに手が伸びてしまいました。

処理性能はハイレベル

Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

レビュー機のスペックは”お手ごろ”ゲーミングノートの枠を超えていて、GPUはRTX 4070、RAMは32GB、CPUはIntel Core i7-14700HXという構成でした。ほかにも安いのから高いのまで幅広く用意されています。一番安い昨年モデルで1,200ドル(RTX 4050、Core i5-13500HX)。

『Cyberpunk 2077』プレイ中のベンチマークで出た平均値は、最低60FPS(高設定、レイトレーシングあり、DLSSオフ)。DLSSをオンにして、レイトレーシングのオプションを全部オンにしなければ、一部のインゲームエリアでは平均70〜80FPSをマークしました。

『Baldur’s Gate III』では、パフォーマンス優先モード、 Act Iのインドア環境で100FPS、アウトドア環境で80FPSを軽く超えてましたね。Act IIIのシティ内では平均FPSが65で、50台まで下がることも。240Hz対応ディスプレイの真価を感じたい人は、DLSS処理性能優先モードにすれば、その倍までいきます。そこまで気にしないなら、クオリティ優先モードにすれば、美しいビジュアルをゆっくり味わうことができます。

『Horizon: Forbidden West』などのゲームでは、野外・屋内関係なく、高設定で60FPSは手堅く出ます。 これだけのスペックならどんなゲームを選んでも、フレームレートは十分でしょう。

Geekbench 6とCinebenchのCPUテストでは、シングルコアテストでLegion Pro 7i 16(Intel Core i9-14900HX搭載)に迫る数値を出しました(マルチコアテストではもっと)。 両製品の価格差を考えると、コスパ良すぎ。このCPUなら、Asus ROG Zephyrus G14のAMD製プロセッサを上回りそうです。3D Mark Time Spyなどのベンチでは価格差なりの違いが出るかもですが、十分な処理性能といえます。

でも、まあ、熱処理の問題もありますので、あまり高いスペックのものは選ばないのが得策。自分が Helios Neo 16を買うとしたら、RTX 4060搭載の1,500ドル未満モデルを真っ先に考えますね(上述のベンチ結果は1,700ドルのレビュー機のもの。1,500ドル未満のものではないので、そこはご留意ください)。

画面はまずます、サウンドはイマイチ

Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

Helios Neo 16のディスプレイは、リフレッシュレート最大240HzのWQXGA(2560×1600)。応答速度3msのIPS LCDですので、高リフレッシュレートとNvidia G-Syncがなかったら、割と普通のどこにでもある画面です。

240Hzまで上げるのは、マルチプレイヤーのシューティングゲームとかMOBA系ゲームかと思うのですが、フレームレートに合わせて、インゲームのグラフィックスの設定は下げる必要がありそうです。2,000ドル未満のゲーミングPCを買う人には、僕だったらリフレッシュレートの高さより、ハイファイなグラフィクスにマッチするもっと美しいスクリーンのものを勧めてしまうかもしれません。

明るさを計測したら、フル画面でピーク輝度500ニト。表示通りでした。毎日使う分には十分な明るさだけど、感動するほどではないです。

サウンドは大したことないので、オーディオ重視で選ぶPCではありません。YouTubeみたいなベーシックな音でさえペラくて、エコーがかかって聴こえました。低域が薄いのも惜しい。

バッテリーはすぐ減っちゃう

Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

バッテリーはみるみる減っていきます。 「エコ」モード(画面が自動的に暗くなって、RGBのライトが消えます)にしても、穴の開いたボートのよう。そんなに大した作業もしていないのに30分で20%減ってて、その2時間後にはバッテリー残量表示が赤く灯っていました。

「バランス」モードの設定にして、仕事やブラウジングするだけでも、2時間で少し充電が要る状態。あまりにも減りが早いので不具合を疑って、モニタリングソフトのPredatorSenseを開いて、何か問題がないかチェックしたくらいです(万事OKのサムズアップが表示されているだけだった)。

これだけ短いと、電源ケーブルは基本つなぎっ放しですねー。外に持っていくとしても、短い用事のときだけにするか、ケーブル持参ということで。

あれもこれもと欲張り過ぎ?

お財布にやさしいAcerの設計。良いところもたくさんあります。Predator Helios Neo 16は「予算内でこれだけのスペックのゲーミングノートが欲しい!」という人には願ってもない製品です。

価格なりな部分も、もちろんあります。さすがに2,000ドル以上出す気にはならないし、ほとんどの人は1,500ドル未満のモデルを選ぶんじゃないかと思うんですが、そうなると、ある程度のトレードオフはしょうがないですよね。パワフルなPCではありますが、弱点はサウンド、画面、操作感。ですので、本当にゲームにフォーカスする人以外の人には、納得感薄めかもしれません。

Acer Predator Helios Neo 16 ゲーミングノートPC Windows 11 Home 第14世代 Intel Core i7 RTX 4070 Laptop GPU 16GBメモリー 512GB SSD 16インチ WQXGA IPS 240Hz 3ms Wi-Fi 6E対応 第5世代AeroBlade 3Dファンテクノロジー PHN16-72-N76Y47 249,800円 Amazonで見るPR !function(t,e){if(!t.getElementById(e)){var n=t.createElement("script");n.id=e,n.src="https://araklet.mediagene.co.jp/resource/araklet.js",t.head.appendChild(n)}}(document,"loadAraklet") これで1000ドル切りは安い! ゲーミングPC「Acer Nitro V 15」 ゲーミングPCは高いものだと思ってません?こちら、Acer(エイサー)より新発売の「Nitro V 15」なら、なんと850ドル(日本は15万9800円)から買えます! ポートがいっぱいボディはマットブラックです。もっと見た目にこだわったノートPCはいくらでもありますが、そんなことより大事なのはビルドの質でしょう。特に5パウンドしない重さ、厚すぎないところに好感が持てます。年末の大掃除と新年のC https://www.gizmodo.jp/2024/01/acer-nitro-v-15.html