南アフリカなどで見つかった新型コロナウイルスの変異株について、世界保健機関(WHO)は11月26日、警戒レベルが最も高い「懸念される変異株」に指定し、ギリシャ文字のアルファベットからオミクロン(ο)株と名付けたと発表した。

WHOは変異株について、ギリシャ文字のアルファベット順で命名してきたが、ニュー(ν)とクサイ(ξ)の二つの文字が飛ばされた形になった。WHOは理由を明らかにしていないが、ほかの言葉との混同や差別を避けるためだったとの見方が出ている。

WHOによると、オミクロン株は11月24日、南アフリカで初めて確認された。専門的な命名法(PANGO系統)では「B.1.1.529」とされ、いくつかの変異があり、ほかの変異株と比べても再感染のリスクが高まっているとしている。

変異株は当初、最初に見つかった国や地域の名前で呼ばれていたが、偏見や差別が生まれる懸念があることから、WHOは2021年5月末からギリシャ文字を使うようになっている。

変異株を警戒レベルの度合いによって、感染力が強まったり、ワクチンの効果を弱めたりするものを「懸念される変異株(VOC=Variants of Concern)」、複数の国や地域でクラスターが発生するなど拡大しているものを「注目すべき変異株(VOI=Variants of Interest)とそれぞれ分類している。VOCの方がより警戒度合いが高い。

また、VOIから一段、警戒レベルが格下げになったものは「監視中の変異株(VUM=Variants Under Monitoring)」と呼んでいる。

ただ、オミクロンという名前をめぐってはソーシャルメディアなどで疑問の声が上がっている。というのも、WHOの分類によると、これまでの最新の変異株はミュー(μ)株であり、ギリシャ文字のアルファベット順では、次はニューとクサイが使われるはずだったからだ。

新型コロナウイルスの変異株とギリシャ文字=2021年11月27日現在、GLOBE+編集部がWHOなどのデータをもとに作成新型コロナウイルスの変異株とギリシャ文字=2021年11月27日現在、GLOBE+編集部がWHOなどのデータをもとに作成

これについて、イギリスのメディア「テレグラフ」のシニア編集委員はTwitterで以下のように発言した。

「WHO関係者によると、ギリシャ文字のニューとクサイは意図的に避けられた。ニューは”new”という言葉と混同するため、クサイは”ある地域に汚名を着せないようにする”ためにそれぞれスキップされた」

A WHO source confirmed the letters Nu and Xi of the Greek alphabet had been deliberately avoided. Nu had been skipped to avoid confusion with the word "new" and Xi had been skipped to "avoid stigmatising a region", they said.

All pandemics inherently political!

— Paul Nuki (@PaulNuki) November 26, 2021

一方、クサイについては、英語ではxiと書き、中国の習近平(シーチンピン)国家主席の「習」の字も英語では「Xi」と表記することから、ソーシャルメディアではWHOが中国に気を遣って使用しなかったとの臆測が広がっている。

新型コロナウイルスは2019年12月、中国・武漢で初めて確認されたとされ、それ以降、世界的な大流行が起きている。

新型コロナウイルスの起源をめぐっては、トランプ氏が大統領だった2020年、武漢の研究所から流出したとする説について「(証拠を)見た」と主張。中国側は反発していた。

次のバイデン政権は改めて調査をして結果を公表、それによると武漢ウイルス研究所から流出した説と、動物を介して人に感染した説のどちらかは結論が出ないとした。

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