小ロット醸造が叶える"自分達のビール"
島根県江津市にある『石見麦酒』が編み出した、小ロットで醸造できる画期的な石見式醸造法。
今、採用する醸造所が全国に広がっていますが、実はオリジナルビールを造るという文化も創造しています。
通常の設備より安いとは言え、醸造所を設立するのは大変。でも、自分達のビールを造ってみたい！そんなニーズの受け皿としても石見式醸造法はぴったりなのです。
本家の石見麦酒もOEM（委託を受けたメーカーが他社ブランドの製品を代わりに製造すること）を積極的に行っています。山陰の小京都、島根県津和野町にも石見式醸造法で造られたオリジナルビールがあります。
山陰の小京都に誕生したオリジナルビール
津和野初のオリジナルビール「Be HAPPY」「Be CRAZY」を手掛けた『Tsuwano BEER Project』の太田茉奈美さんは、クラフトビールを造ろうと思った経緯についてこう振り返ります。
「夫と地元の友人と3人で合同会社Beを設立したのですが、みんながビール好きだったという共通点がまずありました。人と集まってお酒を飲むときも1杯目はビールが多いですよね。私たちは人が自然と集まれる場づくりをしたいと考えていて、ビールはすごくぴったりだと思いましたし、何より夢がある飲み物だと思ったので作ろうと思いました」。
醸造所の立ち上げも考えたものの、色々な条件が揃わなかったそう。そこで石見麦酒に製造を委託することにしました。
「石見麦酒の担当者がついて、こちらの要望を色々聞いてくれて理想通りのビールを手掛けることができました。この方法だとリスクも小さいし、色々な種類を作ることもできるし、何よりも製造を純粋に楽しめます。津和野のビールなので、今後はもっと町内の生活に溶け込めるよう色々な方法を模索していきたいと思っています」。
津和野グルメとビールの最強ペアリング
Tsuwano BEER Projectの「Be HAPPY」ははちみつを使った飲みやすいペールエールで、「Be CRAZY」はシークワーサーを使ったガツンとくるIPAというホップを効かせたスタイルとのこと。
どちらも津和野町が誇る青野山の湧水を使用しています。太田さんにそれぞれに合うおすすめフードを聞いてみました。
「Be HAPPY」は山菜の天ぷらや里芋コロッケ、野菜のスティックサラダなどが合いますね。Be CRAZYはビールの個性が強いのでフードも強めで。例えば、猪肉のスペアリブ、柚子味噌の大根、あとは天然鮎の塩焼きなどもぴったりですよ！」
「猪肉は近くにある道の駅で売ってます」という言葉を頼りに、『道の駅シルクウェイにちはら』に行ってみました。
こちらの道の駅では、清流日本一にも輝いた高津川で獲れた天然鮎が特別な冷凍法で鮮度高く保存・販売されています。
また、非常に珍しい"ししコーナー"もありました。高津川を始め、津和野の豊かな自然が育んだ栄養満点の木の実などを食べる猪の肉は絶品と評判。猪肉は他の肉と違って脂身に美味しさが詰まっていて、脂身の多いものが高級品と言われているそう。
というわけで、しっかり脂身のあるバラ肉を購入。さらに、名産のこんにゃくと店員さんおすすめのわさびドレッシングも入手しました。
しし肉は塩コショウで焼いただけ、こんにゃくも切って刺身にしただけです。合わせてみた「Be CRAZY」はトロピカルなホップのアロマが印象的。しっかり苦みがありますが、モルトの甘みも強くてバランスのよさを感じます。かなり重厚な一本です。
猪のバラ肉は全く臭みがなく綺麗な味で濃いので、IPAの「Be CRAZY」とよく合います。噛むごとにじゅわっと脂が出てきて旨味も強めです。こんにゃくはシンプルな味わいなので、わさびドレッシングのパンチ力と好相性。こちらもビールとぴったりでした。
津和野グルメと津和野ビール、噂にたがわぬ最強のペアリングでした！
石見麦酒にOEMでビールの製造を依頼する場合、わずか50リットル（330ml瓶150本）からオーダーが可能。醸造所を設立したい！というケースにも、自分達のオリジナルビールを製造したい！というTsuwano BEER Projectのようなケースどちらにも対応しています。
これからも島根県西部からたくさんの注目ビールが生まれそうです！
この記事で登場した場所
Tsuwano BEER Project
島根県鹿足郡津和野町後田427 1F
080-9779-0610
道の駅シルクウェイにちはら
島根県鹿足郡津和野町池村1997−4
0856-74-2045
Tsuwano BEER Project
〒699-5605 島根県鹿足郡津和野町後田４２７
＊この記事は2023年2月時点の情報を基に作成しています。
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ライター：(公社)島根県観光連盟
