2024年5月28日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では“PGAティーチングプロアワードのファイナリストのレッスン”と題し、3名のファイナリストから独自のレッスンをギュッと凝縮して、紹介している。そこで、「みんゴル」でも5月20日から各日1人のレッスンメソッドを紹介する。第2回目は2024PGAティーチングプロアワードファイナリストの北山雄一郎プロの教えだ。

役者経験も活かす北山雄一郎

中学でゴルフを始め、高校卒業後アメリカの大学に進学。ゴルフ部、ミニツアーで修業。帰国後、俳優へ転身。劇団四季などを経て、11年再びゴルフの道へ。13年ティーチングA級を取得し、現在は和歌山にてレッスン活動を行っている

「“縄跳びの動作”が飛距離アップにつながる」

劇団四季で役者として舞台に立った経験を持つ北山。

「演じることも教えることも人のためになるから楽しい。人の動作も観察してきたのでレッスンに生きています」

フィジカルトレーナーの資格を取り、動作やトレーニング法などについても日々研究している。

「スウィングで一番大事なポイントは『正しい当て方』で、以下の3つの条件を満たしたインパクトです。

①フェースの向きが目標線に対して真っすぐに
②ヘッドの軌道はインサイドから
③フェースの中心でとらえる入射角

このため『正しい振り下ろし方』を身に付けることが必要です。多くの方はボールに向かって下向きにクラブを加速させようと、右手、右腕を使ってしまう。するとダウンスウィングで、右ひじ・手首の角度が伸びて入射角が浅くなってダフッたり、アウトサイド軌道になってスライスが出たりします」

この対策として北山が取り入れたのが誰にでもイメージしやすい「縄跳び動作」。縄跳びやロープ、類似の練習器具を使い、後ろ跳びを行うといい動きが身に付く。

「右ひじの位置が体から離れないよう、上腕、二の腕を体に密着させた状態で行います。体全体をジャンプさせることでロープは下向きに加速させていく。体が上にいくエネルギーを利用し、右上腕、右ひじを体幹のほうに引きつける動作で振る速度を上げていく」

「正しい当て方には正しい右手の使い方が重要! 」

「ロープの動力に任せることで、右腕の前腕が“回内”、手首が“尺屈”の動き、つまりグリップを右側に倒しながら回転する動きを伴いながら下ろせる。これが正しい当て方の3条件を満たす動きです。バランスボードなどを置いて、そのヘリに当てる動きを入れると、よりインパクトのイメージが出やすいです」

ロープにエネルギーをかけるタイミングと実際にロープが走るタイミングにはズレが生じるが、この感覚やタイミングを身に付けることも重要だ。

「下半身からのエネルギーを伝達できるようになり飛距離や方向性がアップする。僕はレッスンでよく道具を使います。具体的に体感できるから、言葉では難しい感覚も伝わるんです」

跳ぶ動きと引っ張る動きの連動でスピードアップ

後ろ跳び動作で、遠心力を利用して加速させていく原理が理解できる。「右ひじを体の中心に向かって引きつけていくことが、クラブを加速させる原動力に。インサイドからダウンブローに振り下ろすための右腕の力の抜き方、動かし方もわかります」

THANKS/花山ゴルフセンター

※週刊ゴルフダイジェスト5月28日号「多様な教えに上達ヒントありPGAティーチングプロアワードファイナリストのレッスン」から一部抜粋

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