『DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL』大阪城ホール(2023年6月4日)
NEVER無差別級選手権試合 ○デビッド・フィンレーvsエル・ファンタズモ×

 フィンレーがファンタズモを返り討ちにしてNEVER王座を完勝V1。今大会ではBULLET CLUBに新たなメンバーを3人も加入させて勢力を拡大させており、タイトル防衛と合わせて、その勢いはさらに加速した。

 BULLET CLUBの新リーダーとなったフィンレーは4・8両国大会で不満分子のファンタズモを追放。5・3博多大会では元同門のタマ・トンガを沈め、NEVER王座初戴冠を果たした。試合後、「BULLET CLUBを1人ずつ潰していく」と予告していた怒りのファンタズモがフィンレーを襲撃。新日本シングル王座初戴冠を果たすべく前哨戦なしの一発勝負に臨んだ。

 フィンレーは今大会で新たにBULLET CLUB入りを果たしたアレックス・コグリン、ゲイブリエル・キッド、ダン・モロニー、そして外道とクラーク・コナーズの5人を引き連れて花道に現れた。ゴングを待たずにリングに飛び込み、エルボー合戦で試合はスタートする。

 競り勝ったファンタズモはトペスイシーダ、さらには鉄柵超えのスワンダイブ式プランチャを敢行して先制。「ELP」コールを巻き起こす。しかし、荒ぶるフィンレーはラフファイトで逆転。場外では強引に抱え上げると顔面から鉄柱に投げ飛ばし、未遂に終わったもののテーブルを投入するなどして暴れ回り、主導権を強奪した。

 ファンタズモは正攻法で反撃。BULLET CLUBのセコンドがエプロンに上がり、追撃を妨害されてしまうが、これに怒ったファンタズモはフィンレーの股間や乳首まで攻める。場内は大歓声で後押しした。ストレート掌底も連発。フィンレーはブルーサンダーなど大技を連発したものの、ファンタズモはバズソーキックやラリアットで一歩も引かない。

 フィンレーはカナディアン式フェイスバスターで強引に形成打開を果たしたものの、INTO OBLIVION(トラッシュパンダ)を阻止したファンタズモはサドンデス連発で猛攻に転じる。アルゼンチン式のフェイスバスターを決めると、場外のBULLET CLUBのセコンドめがけてコーナーからケブラーダ、トペコンヒーロを連発。外道もねじ伏せると、孤立したフィンレーを仕留めるべく、再びコーナーに上がった。

 だが、フィンレーはコーナー上のファンタズモを突き飛ばして場外に落とすと、序盤で設置していたテーブルめがけてパワーボムを強行。リング上でもパワーボムを決めると、INTO OBLIVIONでダメ押し。フィンレーがファンタズモを粉砕した。

 ファンタズモに声援が集中したものの、フィンレーが勝負所を逃さず、一気に試合を決めてNEVER完勝V1。フィンレーは大の字になったファンタズモを踏みつけて勝ち誇ると、BULLET CLUBのメンバーとともに勝ち名乗りを上げた。フィンレーはテレビ実況席の鷹木信悟を挑発する余裕まで見せた。

 BULLET CLUBには新メンバーが今大会で3人も加わり、フィンレーは新リーダーとして急速に勢力を拡大させている。フィンレーのみならずコグリンとキッドのG1出場も決定した。バックステージでフィンレーは「今夜、BULLET CLUBは自分たちがKILLERSであることがわかった。俺のBULLET CLUBは武器であり、みんながKILLERSなんだ」と豪語。「今日は新しい一日だ。その新しい一日というのはプロレスにとって、新日本プロレスにとっての新たな一日になった。もう誰も俺のたちの存在の前で安心はできない。BULLET CLUB、そして俺に気をつけるがいい」と言い放った。今後もNEVER王座を守り続け、これまでのリーダーたちと同様に、自分なりの新たなBULLET CLUBを創造する構えだ。

【フィンレーの話】「(ビューティフルと言いながらBULLET CLUBメンバーと共に登場すると)どうだった? 今日もまた圧勝。WAR DOGS、俺たちは本物だ。今夜、BULLET CLUBは自分たちがKILLERSであることがわかった。俺のBULLET CLUBは武器であり、みんながKILLERSなんだ。今日のELPはBULLET CLUBにはそぐわない男だった。同猛さも無いければ殺傷能力もない。俺たちには(アレックス・)コグリンと(ゲイブリエル・)キッドもいる。俺たちこそがWAR DOGだ。BULLET CLUBにひとつ言っておきたいことがある。俺たちのルールはただ一つ。ゴールド、金を持ってくる。それがなければ体でも張ってみろ。今日は新しい一日だ。その新しい一日というのはプロレスにとって、新日本プロレスにとっての新たな一日になった。もう誰も俺たちの存在の前で安心はできない。BULLET CLUB、そして俺に気をつけるがいい」

【ファンタズモの話】「こんなことになるなんて思ってなかった…バカだと思うか? 俺は…いいや、みんなが思っていたはずだ。大阪城ホールのファンはみんな俺の味方だって。でも6vs1は無理だ。皮肉なのは、あいつらがみんな俺の友達ってこと。かつての友達……。ひとりでどうやって戦いに勝てばいいんだ。3年間やってきて、友達はいなくなった。まぁいいや。フィンレーとのこの戦いはまだ始まったばかり。俺は誰に連絡すればいい? 見つけてやる。俺と同じくらいお前のケツを蹴り上げたいと思ってる男をな」