『STAR NAVIGATION 2024』後楽園ホール(2024年5月21日)
○大岩陵平&佐々木憂流迦&近藤修司&Eita vs 清宮海斗&拳王&アレハンドロ&クリストバル×

 “革命"を旗印に清宮、拳王が中心となって結成された新ユニット『ALL REBELLION』が“苦難の船出"を強いられた。清宮と決別した大岩に敗れ、勧誘も失敗。一方でジェイク・リーからも糾弾され、ゲイブ・キッド招へいを予告された。

 5・4両国大会で新GHCヘビー級王者となった清宮が、改めて「業界一位」を掲げて所信表明。それに宿敵・拳王が共鳴して約5年ぶりに合体を果たし、アレハンドロ、謎のマスクマン・クリストバルも加わって新ユニット『ALL REBELLION』が結成された。

 「すべては革命のために、すべてはNOAHのために」をスローガンを掲げたものの、一方で軋轢(あつれき)も生んだ。清宮に導かれてNOAHに参戦してきた大岩は、突じょ“相棒"と別離する形に。「すべてのパズルをぶっ壊す」と意味深な予告を発してこの日の後楽園大会を迎えた。

 初のそろい踏みを果たした『ALL REBELLION』4人は、シルバーのコスチュームでそろえて南側ひな壇客席から登場。同時に天を指差すポーズで場内も大きくどよめいた。

 まずはベールを脱いだ全身タイツの謎マスクマン・クリストバルが、近藤の攻撃をひらひらと交わしながら“羽ばたき"ポーズ。フライング・クロスチョップを繰り出すなどして躍動し、中盤には憂流迦を4人での胴上げ式パワーボムで叩きつけて“一丸"をアピールした

 一方で大岩はのっけから清宮に場内外で猛攻。中盤にはドロップキックやブレーンバスターで清宮を真っ向から追い込む。そして最後はクリストバルのダイビングボディアタックを受け止めながら一回転するや、そのままサイドスープレックスでぶっこ抜き、続けざまのドクターボムで豪快に3カウントを奪い去った。

 大岩の意地に阻まれ“初陣"は飾れなかったALL REBELLION。それでもマイクを握った清宮は「陵平、一緒に歩んでくれないか?」とすかさず勧誘し、大岩も「俺と海斗さんは終わらねえ!」とがっちり握手を交わして一度は承諾した。

 敗れども収穫ありとばかりに拳王も「これが革命だ! 大岩陵平も今日から一緒にやっていく。ALL REBELLION、すべてのパズルのピースはそろったぞ」と胸を張ったものの、次の瞬間、大岩は清宮をラリアット、拳王をドクターボムで次々にKOだ。

 巻き起こる大岩コールのなかでマイクを握ると「海斗さん!…いや違うな! おい清宮海斗! 俺はお前の都合で生きてんじゃねえよ。だからこのNOAHのリングからもう……いや、心配するな、大丈夫だよ。俺と清宮海斗は終わらねえ。ここから俺が清宮海斗…お前をぶっ潰してやる」と決別を宣告すると同時に宣戦布告した。

 そこへ今度はジェイクらGLGがやってきた。ジェイクも大岩に握手を求めたものの、大岩は無視して退場。マイクを握って「フラれてしまった」と切り出したジェイクもまた、清宮“糾弾"を始めた。

 「新しいメンバー、新しいチーム。今日はめでたい日になる予定だったんじゃないのか? そんなめでたい日になぜGHCヘビーのベルトを持ってきてない? そう、誰に盗られたんだっけ? そうだゲイブ・キッドだ。なんで取り戻しにいかないんだ? お前NOAHを盛り上げるんだろ? 革命を起こすんだろ? なぜ取り戻しにいかない?」。

 6・16横浜BUNTAI大会で、新日本(BULLET CLUB WAR DOGS)ゲイブ・キッドの挑戦を受ける清宮だが、5・6ALL TOGETHER日本武道館大会で襲撃され、GHCヘビーのベルトはゲイブに“強奪"されたままだった。

 ジェイクは続ける。「お前の発信力じゃ今のゲイブには届かない。だが俺ならそれができる。ひとつ俺からの提案だ。次の6月9日後楽園ホール、清宮海斗&拳王vsゲイブ・キッド…そしてパートナーはもちろん俺だ。悪い話じゃないはずだ」と提案。ジェイクが去ると、清宮も「6月9日後楽園ホール、ゲイブ・キッドから必ずベルトを取り返します!」と受けて立って「清宮&拳王vsジェイク&ゲイブ」のGHCヘビー前哨戦が決定的となった。

 大岩に敗れ、勧誘には失敗し、ジェイクからも糾弾される苦難の船出。それでもマイクを握った拳王は「清宮に発信力がない? 俺はそうとは思わない。こいつは初めてユニットを作った。今までは会社の意思で動いていたかもしれない、でも初めて自分の意志でユニットを作ったんだ。ALL REBELLION、初陣でつまづいたけどな、これから期待するしかねえだろ?」と前を向き、オレンジ色の空席が目立つ場内を見回しながら「今日は小島聡がいないのに、オレンジの服を着た人間がいるな。まだまだ改善できるところがあるよな? まだまだNOAHを改革していかないといかないといけないんだ! それは誰がやる? ALL REBELLIONだろ! いつか今日来たことが幸せだった…と言わせてやるからな! NOAHだけじゃないぞ、プロレス界…いや世間のトップまで上り詰めていってやるからな!」とまくし立てて反転攻勢を宣言した。

 清宮も「ここからすべて変えてやるよ! 景色全部変えてやる。新しい景色、新しいNOAHを創っていく。ALL REBELLION、すべては革命のために、すべてはNOAHのために!」と絶叫。産声を上げた銀色の革命集団。果たしてどこまで突き抜けるのか――。


【試合後の清宮&拳王】

※アレハンドロ、クリストバルと4人でコメントスペースに現れると

▼清宮「負けた。負けたけど、これが革命の一歩だ! 俺たちが必ずNOAHを変えてやる。NOAHはこういうもんだとか、そういう固定概念なんてぶっ壊して、俺らでNOAHを変えていくんだ。絶対に必ず革命を起こしてやる!」

▼拳王「ああ、この気持ちだよ。こんな熱い気持ちを持っている選手がNOAHにいるなら、まだまだNOAHも諦めたもんじゃねえだろ。今日の後楽園の南側見ただろ? 今日は小島聡が参戦したのか。オレンジの服着た人がいっぱいいたよな。こんな寂しい現状、これが今のNOAHの現状だ。それを変えようと誰がしてるんだ? 会社がやってるのか。やっている風には見えねえぞ。だがな、やっていこうとしている人間がここにいるだろ。俺たちは変えていくぞ。NOAHをもっともっとかかがやしい未来へ連れていってやるよ。テメーらクソヤローども、(頭上を見つめながら)俺たちの未来、見えてきただろ? 美しくなりそうな未来が見えてきた。俺たちがすべてを変えてやる」

▼清宮「そして、ゲイブ。お前がベルトを持ってるのがホントに許せねえんだよ! NOAHのベルトなんだよ。6月9日、やってやるよ。必ずベルトを取り返してやる!」

【大岩の話】「スッキリしました。僕の気持ちはリング上で言った通りです。これからは海斗さんじゃなくて、清宮海斗をぶっ潰していく」


【試合後の近藤&Eita】

▼Eita「遅い遅い、遅い遅い。でも、今日よかったよね」

▼近藤「なんでタメ口なんだよ? ふざけんなよ」

▼Eita「今日よかったっすね」

▼近藤「先輩だぞ」

▼Eita「いや、先輩。でもホントによかったっすね、マジで。手応えあったわ、組んでて」

▼近藤「まあ、ぶっちゃけ言ったら、源流は一緒だからね。やっぱりスタイル的なものは、基本的には育ってきたところが一緒だから。まあ、合わないわけないよな。志向も似たようなもんだろ、俺とお前は」

▼Eita「そうっすね」

▼近藤「なんとなく。履歴だ、履歴。今までのプロレスラーの履歴が似たようなもんだろ?」

▼Eita「そうっすね。いや、ホントっすね。だからか、こんなにしっくりくるのは」

▼近藤「まあ、ちょっと続けてみよう」

▼Eita「うん。次、神戸があるからね」

▼近藤「『うん』じゃねえからな」