『グロリアス製薬 Presents SUNNY VOYAGE 2024』北海道・北見市立体育センター(2024年7月4日)
○ジェイク・リー&アンソニー・グリーン&YO-HEY&タダスケvs清宮海斗&拳王&アレハンドロ&クリストバル×

 「きたみ観光大使」も務めるジェイクが、生まれ故郷の北海道・北見にトップレスラーとして凱旋。北京五輪の女子カーリング銀メダリスト『ロコ・ソラーレ』の藤澤五月さん、吉田夕梨花さんからも祝福され、万感のメッセージを送って大ジェイクコールとともに大会を締めくくった。

 ジェイクがトップレスラーとなって生まれ故郷に帰ってきた。昨年10月には「きたみ観光大使」にも就任。試合前に行われたサイン会には長蛇の列ができあがり、メインイベントでの凱旋試合に現れると、ひときわ大きな「おかえり」の歓声に染まった。

 試合前には同じ北見の英雄的存在、藤澤さん、吉田さんがサプライズで登場。五輪銀メダリストから花束を贈呈されると、いつも以上の紳士的拝礼で応えて場内も笑顔で染まった。

 グリーン&YO-HEY&タダスケとのGLG4人組で、清宮&拳王&アレハンドロ&クリストバルのALL REBELLIONカルテットと対決。解散が決まっているGLGだが、ALL REBELLIONと白熱のチーム戦を展開し、終盤にはジェイクが清宮を落差十分のバックドロップなどで追い込んだ。

 負けじと清宮も拳王とのフットスタンプ→シャイニング・ウィザードの連係や、タイガースープレックスホールドで猛反撃をみせたものの、ジェイクも3カウントは許さず。逆にカットインしたタダスケが、クリストバルをラリアットでぶっ放して窮地を救うと、ジェイクもすかさず必殺FBSで顔面をえぐって3カウントを奪ってみせた。

 凱旋試合で見事にメイン締め。マイクを握ったジェイクは、故郷を包んだ温かい声援に感謝したうえで、回想を始めた。

 「私は13年前ここで、ジェイク・リーとしてではなく、李在?(リ・チェギョン)としてプロレスのリングに上がっていた。あの頃は先も何も見えない状態で、まさかまさかのその時の私がジェイク・リーという名前に変え、またこの北見に戻ってくるなんて、あの当時は思いもしなかった」。

 2011年。全日本からデビューしたジェイクだが、一度挫折してプロレスを引退。2015年に再デビューしたが、“どん底"だった北見でのあの頃を思い出しながら天を仰いだ。

 ジェイクは続ける。「あの時、私はプロレスを一度辞めた人間だ。李在?として前を向けず、そして辞めた。ただな、そこでの教訓は、人生、逃げることだってあるさ。別に悪いことじゃない。ただな、それを次にどう活かすかだ!」と言葉に力を込めると、「これがダメならあれをしよう。あれがダメならそれをしよう。それでいいじゃないか。私はそうやって今まで自分を盛り上げて、そしてこれからはこの北見も盛り上げていこうじゃないか!」。そう叫んだところで、北見の夜が大ジェイクコールに染まった。

 一方でセンシティブなタイミングでの凱旋でもあった。7・13日本武道館を最後にGLGを解散することを発表し、新日本G1 CLIMAX初参戦も決定。「近く何らかの正式発表がある」と意味深に予告し、胸に一物抱えていることも確かだ。

 バックステージでジェイクは「私は今までSNSの更新も止めて、そして自分から言ったにもかかわらず、GLGの解散のことをずっとずっと心のどこかで思い続けた。しかもプラスのほうにじゃない。マイナスのほうにかもしれない」と告白。「ただ、やはりこういう風に戦うと、メンバーは強いね。私のそんな思いは関係なく、ここまで力強く一緒に戦ってくれる。だからこそこの凱旋もうまくいった。改めてありがとうを言いたい」。GLGファイナル、そしてG1へ。万感の故郷凱旋を経て“前向きさ"も取り戻したジェイクが、このまま波乱の夏を駆け抜けるか。

【ジェイクの話】「(GLGのメンバーに拍手で迎えられると)私は今までSNSの更新も止めて、そして自分から言ったにもかかわらず、GLGの解散のことをずっとずっと心のどこかで思い続けた。しかもプラスのほうにじゃない。マイナスのほうにかもしれない。ただ、やはりこういう風に戦うと、メンバーは強いね。私のそんな思いは関係なく、ここまで力強く一緒に戦ってくれる。だからこそこの凱旋もうまくいった。改めてありがとうを言いたい。まだ北海道は始まったばかりで、13日は武道館だ。皆さんのご来場をお待ちしている」