あなたのスキンケアは自分の肌質に合っていますか?「実は、間違ったケアをしている人が多いのです」と皮膚科専門医の赤須玲子さんは言います。そこで、今すぐ見直して取り入れたい正しいスキンケアについて伺いました。まずは自分の肌質をセルフチェック

教えてくれた人:赤須玲子(あかす・れいこ)さん

教えてくれた人:赤須玲子(あかす・れいこ)さん

医学博士、日本皮膚科学会専門医、アメリカ皮膚病理認定医。山梨大学医学部皮膚科学教室、トロント大学病理学教室を経て、1998年東京・六本木に赤須医院を開設。確かな臨床経験に基づいたきめ細かな診療が定評。専門はニキビ、シミ、ホクロ、スキンケア全般。

自分の肌質を知ることが、正しいケアの第一歩

スキンケアは積み重ねのケアで、50代からは若い頃に適切な手入れをしてきたかどうかの差が肌に表れる時期です。

「でも、ケアを始めるタイミングに手遅れということはありません。肌は新陳代謝によって常に生まれ変わっています。ただし、代謝の速度は加齢とともに遅くなるので、毎日の洗顔や保湿を正しく行い、肌が生まれ変わる力をサポートすることが大切です」と皮膚科専門医の赤須玲子さんは言います。

正しくケアするには、自分の肌質を正確に知ることが第一歩。まずはセルフチェックで確認しましょう。

自分の肌質をセルフチェック!

自分の肌質を知ることが、正しいケアの第一歩

肌質によって必要な保湿アイテムも異なります

肌質は水分量と皮脂量のバランスにより4タイプに分類できます。

下図の通り、必要な保湿ケアは肌質によって異なり、水分が少ない混合肌と乾燥肌は化粧水を、皮脂量の少ない乾燥肌と普通肌は乳液やクリームで油分を補うことが必須です。

「重要なのは、保湿は過不足なく行うこと。肌質にそぐわないケアは、肌のバリア機能を低下させ、さまざまなトラブルを招く他、肌老化の速度を速める原因にもなります」(赤須さん)

また、代謝の速度が遅くなる50代以降は、肌に負担をかけない正しい洗顔で古い角質をしっかり落とし、血行をよくする習慣と紫外線対策が不可欠です。

肌質タイプ別・必要なケアアイテムはコレ!

保湿は肌質に合わせて過不足なく行うことが大事。保湿のし過ぎは肌本来の力を弱めます。

肌質によって必要な保湿アイテムも異なります

【脂性肌】何もつけないでOK
水分、皮脂ともに多い「脂性肌」。皮脂によって水分蒸発が防げるので、洗顔後は化粧水やクリームはつけなくてOK。一方、皮脂により肌表面がざらつきやすいため、洗顔は丁寧に行いましょう。

【普通肌】化粧水不要。クリームを
水分量が多く、皮脂量が少ない「普通肌」のケアは、水分より油分を補うケアを重視。洗顔後は化粧水ではなく、乳液やクリームなどを塗って、肌の持つ水分の蒸発を防ぎましょう。

【混合肌】化粧水が必須
水分量が少なく、皮脂量が多い「混合肌」は、化粧水での水分補給を行うケアだけで十分です。乳液やクリームなどを使うと、皮脂量が増え過ぎてしまい、肌にとって逆効果のケアに。

【乾燥肌】化粧水&クリームを
水分、皮脂ともに少ない「乾燥肌」は、化粧水とクリームで水分と油分をしっかり補いましょう。オールインワン化粧品を使う際は、突っ張るなら化粧水、かさつくならクリームを付け足して。

次回は、今日から取り入れたい正しい洗顔、保湿、血行促進、紫外線ケアを紹介します。


取材・文=大門恵子(ハルメク編集部)、撮影=中西裕人、イラストレーション=ちちち

※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年10月号を再編集しています