86歳の義父が自宅の駐車場で転倒しました。80代の転倒は笑い事では済まされない、という現実を目の当たりにしたとき、家族の意識が変わり始めています。

自力で動けることは86歳の生きがい

100年ほど続いた老舗旅館三代目の義父86歳。物を捨てられず、右から左へ、左から右へと移動するのが日課です。

自力で動けることは86歳の生きがい

「いつか役に立つかもしれないから捨てない」と、穴の開いたバスタブや羽の落ちた釜、折れた床柱、昭和の書類など、私たちが見たらゴミ。

それらを数か月かけて東側の倉庫へ移動したと思えば、今度は小屋を2棟建てその中へ移動。空いた倉庫にドアの壊れたロッカーや動かないリヤカーを。その半年後にはまた大きな倉庫を買って西側へ設置。中国で買ってきた絵画や掛け軸、置物を収納。

毎日何かをあちらこちらへ移動し続ける義父がいました。

本人が思うより衰えてきた体

2024年4月のこと。「靴の脱ぎ履きが億劫」とサンダルでいつのも作業を始めた義父。

家族から「足元が危ない」と忠告されても何食わぬ顔で「はい、はい」と生返事ですが、誰がどう見ても歩行の足は上がっておらず、ずり足です。

そして案の定、転倒しました。個人の敷地内だけれど、次々設置した倉庫などの陰で自宅からは死角。スマートフォンを持っていたけれど、電話のかけ方を知らない義父、両手足が動かずに自力で立ち上がることができず絶体絶命です。

助けの来ないまま小一時間(本人の証言)、訪ねてきた義弟に発見され救急車で病院に行くことができました。

本人が思うより衰えてきた身体

60歳からの介護生活

右手と右の額に擦り傷程度の傷、そして首に受けた衝撃で両手足のしびれが出ていました。レントゲン、CT、MRI検査の結果しびれの原因は、細くなった頚椎に転倒の衝撃を受けた影響とわかりました。

60歳からの介護生活

主治医からは広げる手術をすすめられたものの、本人が手術を拒絶したため、それならばリハビリセンターでの運動をするようにと。

夫は初めて親に介護が必要だと痛感して介護認定の申請し、ケアマネージャーさんに教わりながら介護サービスの利用をスタートさせました。

60歳からの介護生活

夫60歳、私58歳。私たちだって若くはありません。

「がんばりすぎず」を口癖にして、介護生活は始まったばかりです。